専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

火入れ

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日本酒は生酒と呼ばれるもの以外は、全て何らかの加熱殺菌処理がなされています。我々の業界では『火入れ(ひいれ)』と呼んでいます。やり方や使う機械などは様々ですが、お酒の温度を65℃くらいまで上げることで、中に含まれているいろいろな菌を殺菌するんです。

英語では『パストリゼーション』でんがな。有名なフランスの科学者パスツールは、ワイン等の腐敗を防ぐための低温殺菌法を開発したことで有名ですが、その彼の名前に由来しています。でも、日本ではそれよりも数百年も前から日本酒の火入れ処理がなされていたと言われてますから、我らのご先祖様天晴れじゃぁありませんか!

昨年の末あたりからお酒の仕込みが始まって、今の時期、蔵の中のタンクには出来上がったお酒がたくさんたまってくるわけです。それらのお酒の中には、いくら圧搾機で酒粕をきれいに取り除いてあるといっても、酵母菌やら今後のお酒の熟成の邪魔になるような酵素といった物質やらがたくさん残っているんです。

ですから、それらを殺菌するために火入れを行うわけです。我が社では、プレートヒーターという熱交換器を使って火入れをしています。チンチンに沸いたお湯とお酒を混ざり合わないように接触させることで、お酒の温度を上げるような仕組みになっています。毎時2000リッターくらいのお酒を火入れ処理することができますかね。

プレートヒーターから出てきた60℃以上にまで熱せられたお酒は、即座に貯蔵用のタンクに入れられます。例えば、容量が8000リッターのタンクなら4時間くらいで一杯になるんですが、そんなに熱いお酒が大量に満たされたタンクっていうのは容易には冷めてくれません。お酒にとっても、あまり長い時間高温状態でいると酒質も悪くなってしまいますから、なるべく早く冷やしたいんですよね。

そこで、鉄板1枚の厚さしかない単純な形のタンクの場合、火入れが終った直後からタンクの周りに水をかけるっていう、あまりに原始的方法で温度を下げてやります(笑)。写真では分かりづらいかもしれませんが、大きなタンクの天井にぐるっと穴のあいたホースをまわして、水を送ってシャワーのような感じで水をかけるんです。

当然、冷たい水をかけることでタンク全体を冷やすことができるわけですが、熱量計算的には、水が熱いタンクの側面を流れ落ちる時に湯気となって蒸発する時に、気化熱として奪っていく熱量の方が多いらしいです。だもんだから、この写真の水の量では多すぎなわけで(汗)、このあともう少しチョロチョロした状態に直しました(笑)。

どこのお蔵でも、仕込みはそろそろ終了して、火入れ作業が忙しい時期になっているようです。『酒屋八兵衛』の蔵でもきっとそうなんでしょうね。とーこさんの旦那さんもそんな内容の記事を書いてましたよ。仕込み作業は終わったみたいだから、ちょっと余裕が出てきたみたいでうらやましいですね。とーこさんは相変わらず飲んだくれてるみたいですけど・・・(笑)。

》》》》》》》》》》 【久々のとーこさんの旦那ブログ】


□□□ 我が社はまだまだ仕込みがあります(涙) □□□
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