専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

アウディ(1)

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皆さんは、『アウディ(Audi)』っていう車をご存知だと思います。ドイツの眼医者ですね・・・いやいや名車ですね(笑)。ベンツやBMWほどよく知られているわけではないような気がしますし、フェラーリやポルシェほど特別な存在でもありません。でも、確固とした存在感とステータスを持った外車として、私が好印象を持っている自動車メーカーなんです。

このたび、そのアウディの日本限定最高級特別仕様車を購入することになりました・・・って、うっそぴょーん!(笑笑笑)・・・イ、イカン、これは仙台かどこかの、何とか本店っていう酒屋のオヤジのノリに似て来てるじゃないか。かなり汚染されてんぞ、こりゃ・・・(涙)。ちなみに、私の愛車は日本製の13年も前の代物ですが、あと10年くらいは乗り続けるつもりです(汗)。

話を元に戻しましょう。私の造り酒屋の友人I君が、そのアウディに乗ってるんです。どういうグレードの車なのか私には分かりませんが、ワゴンタイプのそれなりのクラスのものだと思います。近くへ寄ると、見かけよりも大ぶりな車に感じましたね。4つの輪が横一列に連なったエンブレムが車の正面で輝いています。

酒蔵のせがれでアウディに乗ってるなんて、絵に描いたようなボンボンに思われるかもしれませんが、その通り、彼はボンボンです(笑)。でも、私だってれっきとしたボンボンなんですからね。その辺お間違えのない様にね。ちょっと働きが厳しくて品格を欠いてしまっていますが(汗)、私だってアウディに乗ったら彼よりボンボンが似合ってカッコいいはずです(笑)。

冗談はさておき、昨年長野で『長野の酒メッセ』というイベントを開催するにあたって、県庁の商工部やら銀行関係にあいさつ回りをしなくちゃいけなくて、彼と2人でそのアウディに乗って出かけたんです。I君はかなり研究しているらしく、車の中でアウディの素晴らしさをとても熱心に私に説明し始めました・・・(つづく)。


□□□ よし、今日も寝るぞ! □□□
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アウディ(0)

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さて、本日から健康回復週間を始めたいと思います。まず、夜中チビチビと飲んでいたお酒を控えると同時に、食べ過ぎだったウルメイワシの摂取量を減らし、体の中からの健康増進を図ります。次に、ブログの記事を短くして心理的プレッシャーを軽減し、空いた時間を少しでも睡眠時間に回して、ストレスの発散に努めます・・・(笑)。

でも、実際のところ、今の私の頭の中は、ブログの記事としてひとつのことを言おうとすると、原稿用紙3枚分の1200文字程度が必要になっちゃっています。そこで強制的に半分程度の600文字でひとつのことをまとめようとしても、私としては逆に難しくなって時間もかかっちまうと思われます。

そこでだぁ、逆転の発想で、1200文字じゃぁとても書き切れなくて、普通でいっても数回分の記事になるようなネタを、いつもの半分くらいの文字数で書き続けていけばいいんじゃないかと考えました。そうすりゃぁ、話を区切る場所は自由だし、同じネタで何日も引っ張れるし・・・。

話は少し横道にそれますが、以前ほど皆さんに私の記事が長過ぎるっていうことを言われなくなってきましたねぇ。女房にしても越百のえっちゃんにしても、読むのが大変だの(汗)、何が言いたいのか分からないだの(涙)、読んでるうちに寝ちゃうだの(笑)言われて辛酸をなめてきましたが、受け入れられてきたのか、慣れてもらったのか、あきらめられたのか・・・とにかくもうどーでもいいみたいです(笑)。

そんなこんなで、明日から『アウディ』っていうタイトルで、意図的に短く区切って記事にしていきたいと思います。うまく書けるか分かりませんが、しばらく私の中で温めていたお話です。今日書き始めようと思いましたが、内容に入れなかったので、連番を(0)としてタイトルだけつけておきましょう。やっぱり600字は短いや(涙)。


□□□ さて寝るぞ! □□□
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返信メール

昨日、「ちょっと疲れた」なんて、泣きの入ったようなお恥ずかしい記事を書いたら、コメントやメールやらでいろんな方からご心配をいただきまして、本当にありがとうございました。皆さんからいただいたご忠告を守って体を大事にしながら、これからも頑張っていい酒を造っていきますから、ぜひご期待くださいね。

こんなに、信濃鶴ファンの皆さんに心配してチヤホヤされるんなら、しばらくは「疲れた疲れた」って言ってようかなぁ・・・ウソウソ(笑)。でも、疲れたなんていう事を書いた記事なんて、せっかく読んでくれる読者の皆さんにも疲れた気分をばらまいちゃうんだから、いいこたぁないですよね。今後は自重します、ハイ(汗)。

うれしいメールをたくさんいただいたので、今日はいつもと目先を変えて、ブログに要する時間を、溜まりに溜まったメールの返信に使ってみようと思い立ちました。毎日一日中あたふたしていて、返信しなくっちゃと思ってるうちに10通以上の要返信メールを溜めちゃってました(汗)。

このブログのコメンテーターのヨコハマさんがお書きになっている今日届いたメールマガジンに、「考えごとで行き詰まったとき、また、なんとなく気が晴れず、ストレスを解消したいが時間が無いときには、ちょっぴり視点をずらすとよい」なんて書かれていたもんだから、よけいにそんな気分になりましたね。

一番多かったのが、うれしいことに「信濃鶴を飲んだらとても美味しかったです」っていうような内容のメールでした。励みになるんですよ、そういうメールは!このブログの読者の方がどこかで鶴を飲んだ場合もあるし、どこかで鶴を飲んだらとても美味しくて、ネットで検索してこのブログが引っかかった場合もあるみたいです。いずれにしてもこちらが感激するくらいのありがたいことをしたためてくれてあります。

昨日の記事に対してある企業の人事担当の方にいただいたメールには、「ヤバイと思ったらちゃんと息抜きをしろ」と、ご自身の体験も含めてご忠告いただきました。実際に人事の現場で活躍なさっている方の言葉ですから身にしみました。

面白いところでは、親戚の親戚の親戚くらいの親戚から突然メールをいただいたこともありました。○○のおじさんにもあなたの記事を読ませましたなんて書いてあって、次回そっち方面の親戚が集まる時がチト恐いですね(笑)。

ありがたいメールは、酒販店さんが新規に取り引きをお願いしたいと言ってきてくれるものですね。正にこのブログがセールスマンになっているという成果の現れです。今現在ではすぐに取り引き開始というわけにはいきませんが、追々こちらからもお願いしなくちゃならないことになると思うので、ぜひ今後とも気に留めておいていただきたい旨をお願いしました。

東京の酒販店さんのお酒の例会で行われたコンテストで、2番だったなんていううれしい報告メールも今日ありました。1番はあの十・・・ああ、イカンイカン、結局いつもと変わらない記事の量になっちゃいました。いろいろとうれしくてあっという間に書いてました(笑)。しっかりと寝て、また明日から頑張りますよー!


□□□ ブログ書いててよかった! □□□
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疲労

あまり、泣き言ネタは記事にしたくないんですけどね・・・最近、ちょっと疲れてきたなぁと思うことが多いんだな、これが(涙)。先週までで特別純米の仕込みが終って、年明けの吟醸から始まった高級酒の仕込みが一段楽したせいもあって、気が抜けたかな?でも、仕込みはあと10本以上残ってますから、気が抜けたなんてなまっちょろいこと言ってられねぇんですけどね・・・。

昨日なんか、出来上がった麹をムロから出して、麹を冷却するための箱に入れたまでは良かったんだけど、冷却する風を送るファンのスイッチを入れ忘れちまったもんだから、冷却するどころか箱の中で汗かいちゃって、あやうくダメ麹にしちゃうところでした(汗)。昨日は外気温が低くて蔵の中も寒かったもんだから、ある程度自然に冷却されて事無きを得たんですけどね。

何が言いたいかって?だから、あの失敗は私のせいじゃなくて、この疲労がそうさせてるんだから、あたしゃ悪くないってぇことですよ(笑)。疲れてくると注意も散漫になって予期せぬ失敗を招きます。取り返しがつくことならいいですけど、大きな事故にならないように気を引き締めなくっちゃならんですね。

そーいやー、体重も何だか漸減傾向なんだよなぁ。私は夏の間だって60キロはないような痩せっぽちですが、その体重の落ち方が1割近くになってくると疲れの深さが違ってきて、軽くなっているはずの体を重く感じるようになります。当然体力の持ちも悪くなっちゃいますね。

どこの蔵の杜氏さんや蔵人さんも一緒でしょうが、吟醸の仕込み期間中が体力的には最もキツイだろうと思います。私の場合も、毎年その期間に体重の年間最低記録をたたき出すんですが、今年はその記録からほとんど復活してません(汗)。こりゃ、どーしたわけなんだか分かりませんが、ご飯だけはしっかり食べられてますから心配はないでしょうけどね。

更に数日前には、夜ブログの記事を書いてて、知らない間に寝込んじゃってたんですよね。これもめったにやらないことなんですよ。お酒飲んで帰ってきてその辺に寝ちゃうことは日常茶飯事ですし(笑)、夕方6時頃の例の睡魔の時間帯にはウトウトしちゃってますが、いくら夜中でも、ブログの記事を書きながら寝ちゃうことはないんですがねぇ。

昨日はとーこさんも同じ様に(?)「スランプだす」ってな記事を書いてたから、あーよく分かるなぁと思って、「とーこファイトだ!」くらいのことをコメントに入れたんですが、後で見たらうまく登録されてなくて消えちゃってるし・・・(涙)。

それもこれも全て、たまってきた疲労のせいだと思っている私ですが、それに輪をかけるようにして腰やら膝やら肩やらが悲鳴を上げつつあります。週に1回欠かさず鍼治療には通っていますが、だんだん追いつかなくなってきた感じがしますね。疲れてるんだか痛いんだかがごちゃ混ぜになって、何とか日々の仕事をこなしている状態です。

そこで、明日から少しでも体を休めるために、①ブログの記事の量を少なくする、②睡眠時間を増やす、③夜お酒を飲まない、の3ヶ条を実行してみようと思ってます。でも、どれも私がなかなかできないことばっかしなんですけどね(笑)。

》》》》》》》》》》 【最近とーこさんとはよく記事がかぶりますね】
》》》》》》》》》》 【サンセールさんも飲んでとーこさんを応援してます】
》》》》》》》》》》 【例の睡魔の記事】


□□□ 仕込みはあと残り6週間 □□□
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餃子(おまけ?)

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今晩の我が家の食卓です。餃子が旬なので今日は揚げ餃子でした・・・うそうそ(笑)。よく見て下さい、餃子のように見えるのは『サモサ』と呼ばれるインド料理です。今日の夕食は、中華から一転してインド料理でした。

インドばかりじゃなくって、アジアのいろんな国に同じような料理はあるみたいです。毎年駒ヶ根市で行われている『青年海外協力隊週間・国際広場』のイベントでは、必ずと言っていいくらい、どこかの国のブースで販売されている定番料理です。

餃子とは全く異なるもので、小麦粉を練って皮を作り、ジャガイモと豆類で実を作って包み込み、油で揚げて出来上がりです。まるで餃子のような形をしているので、だませるかなぁと思って載っけてみましたが、だまされましたか?(笑)本当は三角形が多いみたいですね。

餃子やサモサのように、具を皮で包んで調理するタイプの料理って、世界中にたくさんありますよね。アフリカにも卵を皮に包んで油で揚げるブリックと呼ばれる料理もありますし、中南米ではタコスとかもその手の料理に入るでしょうか。

昔、学生時代に中国の奥地まで入っていったことがありましたが、中国も西に行けば行くほど、人々の顔つきは西洋っぽくなっていきますし、食べ物も中華料理っていう感じじゃぁなくなっていきます。かといって、西洋の料理でもない、やはりその土地ならではの料理っていうことでしょうか。

シルクロードの代名詞となっているような敦煌(とんこう)の更に奥にウルムチという都市がありますが、そこの市場で売ってたんですよ、この餃子もどきが。見た目は餃子のような感じなんですが、具は肉の割合がかなり多かったと思います。市場の野天に大きな壷状の釜が置いてあって、下から火であぶられているんです。とても大きいんですよ、その釜って。直径が1メートル以上はあったかなぁ。

そこのオジサンにその餃子もどきを注文すると、注文した数だけ手にとってその釜の中の天井部分にそれを貼り付けるんです。蓋をして待つこと数分、オジサンは専用の道具で餃子もどきを釜の天井からこそぎ落して私に手渡してくれました。美味かったなぁー!そりゃ、本当に美味かったですよ!いくつ追加注文したか分からない(笑)。

本日の夕食の本当のメインは、写真の右端の魚のカレーでした。白身魚のフライがカレーの中に横たわっているんですが分かりますかね。魚のカレーなんてちょっと馴染みがないですよねぇ。我が家でも初登場なんじゃないかなぁ。けど、美味かったんだな、これが。

女房の『腕』が良かったことにして褒めておきましたが、実際のところは彼女が参考にした『レシピ』が良かったんでしょう(笑)。作って美味しいレシピがたくさん載っている本なら、いくら高くても買って損はないですよね。あとは、女房がそのレシピに自分のオリジナリティを加えようと思わないでいてくれることを望むだけです(笑笑笑)。

》》》》》》》》》》 【サモサってこんなものサ】
》》》》》》》》》》 【昨日の記事でどんな曲なのか質問を受けた『おばけなんてないさ』のメロディー(音が出ます)】


□□□ 日本酒とカレーの相性やいかに(汗) □□□
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餃子(つづき)

昨日の餃子の話の続きです。まずは娘が最近十八番にしている歌をどうぞ。友達同士で作ったんだそうです。『おばけなんてないさ』の替え歌です。

中国産の餃子
中国産の餃子
冷蔵庫に入れてカチカチにしちゃお
だけどちょっと
だけどちょっと
メタミドホス入ってる
そんな餃子やめて
手作り餃子食べよ

正に現代っ子が作った歌っていう感じですねぇ(笑)。私たちが子供の頃に外国で作られた食べ物なんていう感度があったでしょうか、そしてそれが危険だなんて思っていたでしょうか。舶来のものは高価で、めったに食べられない美味しいものだったはずです。

今では、アメリカとEU諸国以外の国で作られたものは、ほとんど安物というイメージじゃないですか。たった30年の間に、子供達の意識もこれほど変わってしまうのかと思うと、世の流れが速いのか、自分が歳をとるのが早いのか、時代の変遷を感じないわけにはいきませんね(汗)。

中国産餃子の毒物混入事件や、日本国内での産地偽装、賞味期限改ざん等の事件をみていて思うのは、『食』を効率化しちゃいけないっていう事でしょうか。『食』を利益追求の具にしてしまうことによって、当然そこには目標達成度や利益率なんていう数値化されて対比可能になった結果が要求されます。

そういう分かりやすい数字にばかり目がいくようになって、最も大切な『食』の本質が忘れ去られているような気がしてなりません。効率的に『食』で儲けようという考え方には、どこか誤りがあるんじゃないでしょうか。

もう一点考えることは、『食』はグローバル化できないっていうことです。食糧自給率が世界最低レベルの日本は、原油高を憂うのと同じレベルで、小麦粉や大豆やとうもろこしなんかの世界的な高沸に気を揉むべきじゃぁないんでしょうか。バイオエタノールと引き換えに、我々はもっと大切な何かを失っているような気がしないでもありません。

そのうちに、うどんも食べられなくなるし、味噌や醤油もとんでもない高級品になるでしょう。日本の食文化なんか、今のグローバル経済の劇的な変化によって、吹っ飛んでしまう可能性だってあると思いますよ。米と大豆くらいは死守しなければ、我々の食卓は無国籍なものにならざるを得なくなっちまうんじゃないでしょうか。

生鮮野菜が海外から輸入されるなんて、どう考えたってあるわきゃないようなことが起こっていますが、『食』というものはそんなにグローバルに展開し得ないはずです。その危機感が『地産地消』の流れとなって現れてきているんだと思います。地元で顔の見える人が作った作物ほど安心感のある食材はありません。

『食は命』

これが私の基本的な考え方です。口から入ったものが、我々の命を支えてくれています。つまり、命そのものなんです。我々はあまりに自分の命と同じものであるべきはずの『食』をおろそかにしてきていると思います。あまりに無頓着に口に入るものを作り、それをあまりに無意識に口に入れている。そんな現代だからこそ『食』の安全は必要なことだし、無条件に担保されていなくてはならないことだと思うんです。

私は信濃鶴を純米化しようとした時に、こういったことに関して非常に深く考え込んだんです。『食は命』と考えた場合に、地酒はどうあるべきなのか。そこで、地元の酒米のみを使って、混ぜ物のない純米酒を、地元のために造るという方向を目指しました。最初は独りよがりかもしれないけれど、必ずや理解してもらえる時が来ると考えたんです。

なんか長々と書いちまいましたね。スイマセン。大きな時代の流れの中で、流されちゃぁいけないのが『食』じゃないかと言いたかったんです。時代が変わってバイオエタノールを各国が取り合うような状況になったら、そのうちにアル添酒の方が純米酒より高くなるかもしれませんよ(笑)。


□□□ 替え歌の2番はジクロロボスらしい □□□
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餃子

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今話題の餃子を女房が作ってくれました。中国産の冷凍食品じゃなくて、女房の手作りなのでまず大丈夫でしょう(汗)。あまりに連日餃子の話題がニュースで流れるので、いつの間にか、日本全国みんなとっても餃子が食べたくなってるんじゃぁないですか?(笑)

中国産の冷凍食品への信頼が損なわれてしまったっていうことで、餃子を作るための機械が飛ぶように売れているなんて聞きましたし、主婦の皆さん方も何となく食べたくなって、重い腰をあげて餃子を手作りして食卓に並べているようです。我が家で餃子が出たと思ったら、とーこさんも記事にしてんだもん(笑)。

私の頭もそんな状態になっていたのか、久しぶりに食べた餃子はとっても美味しかったですね。写真には写ってませんが、形の崩れた失敗作でも十分いけました(笑)。まあ、餃子と信濃鶴の相性についてはノーコメントにしときますが、合わせて合わないわきゃないんだから・・・とにかくやってみてください(汗)。

でも、良く考えてみると、私たちが子供の頃なんて、餃子は間違いなく母親の手作りだったんじゃぁないのかなぁ。餃子の皮だけは売り物があったと思いますが、具の作り方や焼き方なんかはそれぞれの家庭の味だったと思うんですがねぇ。

いつの頃からか、出来合いの物を最後のひと手間だけくらいの手をかけて、手軽に料理するのが当たり前になってきてるんでしょうか。今回の一連の農薬混入冷凍食品の問題は、そんな現代の当たり前の中に潜む、いくらでも我が身の周りに起こり得る恐ろしさを露呈したものとなりましたね。

中国産の餃子の問題以外に、日本国内に目を向けても、『食』の安全を脅かすような事件ばかりが起きてるじゃぁないですか。産地の偽装、賞味期限の改ざん、表示の偽り等々枚挙にいとまがない。これまでずーっと平気でやってきた事が、ここへきて世間の目にさらされるようになったっていう事件が多いですね。

毒物入りの餃子は別として、そのどれもが命に別状はないわけです。知らないで食ってりゃぁ幸せなのかもしれません。しかし、それを良しとしてしまう食に対する態度が、いずれは大きなしっぺ返しとなって我々に返ってきてしまうことになると思うんです。これらの問題の裏にあるのは、経済優先の効率化であり、利益追求であり、大量消費文化であり・・・ちょっとどこかでボタンを掛け違えて来てしまったような感じが強くしています。

ただし、伊勢の名物『赤福』の営業再開にあたって、「賞味期限を1日でも過ぎた賞品は全て破棄する」旨のコメントには少し複雑な心持ちがしましたね。やっぱし、もったいないもんなぁ。あまりにガチガチの規制を課すことで、それが自らの保身につながる様な思考回路もちょっといただけないと感じるのは少し勝手な意見でしょうかね。

それじゃぁ、コンビニの売れ残った弁当のように、もう一度回収して残飯を肥料にすればもったいないことにならないのか。そこにも一考の余地があるでしょうが、毅然とした『食』に対する態度と、もったいない事をなるべくしないという気持ちをうまく天秤にかけていかなくっちゃならない時代なんだと思います。

明日もうちょっと続きを書きます。

》》》》》》》》》》 【とーこさんの餃子も美味しそう!】


□□□ 餃子にはビールかなぁ □□□
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技術指導

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今日は酒蔵にとっては少し緊張する1日だったんです。毎年1回、造りの期間中に、『関東信越国税局』の『鑑定官』と呼ばれる職員の方が蔵にお見えになって、清酒製造に関わる技術的な部分での指導を受ける日があります。正式には『清酒製造技術指導』と言って、今日がその日だったっちゅうわけです。

事前に、どんな点について指導を受けたいか書類を提出してありますから、その辺を重点的に見てもらえますが、せっかく蔵までお越しいただくので、結局は造り全般をチェックしていただくような形になりますね。今日は我が社では、麹にポイントを置きながら指導していただきました。

さて、この『鑑定官』と呼ばれる先生方は、個々の蔵の造りについては当然それほど詳しいわけではありませんし、実際の作業についても現場に出て酒を造っているわけではないので、実践的な部分についても細かな指導をしてくれるわけじゃぁないんです。

彼らのすごいところは、まずは理論的な部分での豊富な知識でしょう。肩書き上は税務署の職員っていうことになりますが、どちらかと言えば酒造に関する研究者といった方がいいんじゃないかと思うほどです。最新の研究成果なんかも我々に教えていただけるので、いつもタダで勉強させてもらえる先生っていうところでしょうか(笑)。

それと、非常に多くの蔵を見ているので、酒造りの各場面でのさまざまな方法論を知っているし、最大公約数的な酒造方法の把握もしているってぇところでしょうか。自分の蔵しか知らない我々のような井の中の蛙に、大海の様子を諭してくれる役割もあるんじゃないかと思います。

その業務内容の特殊さゆえに、鑑定官の先生方の税務署内での位置付けも特別みたいですね。税金の徴収なんていう、我々が考える通常の税務署職員のような仕事は一切せずに(たぶん)、酒造の技術指導を退官するまでずっと続けるんだと思います。これも、酒税という税金を適切に徴収するための、非常に大切な役割っていうわけですね。

今日お見えになったK先生は、実はよく知った先生でした。話せば長くなりますが、もう10年以上前に私が受けた1ヵ月半に及ぶ酒造研修会で担当の講師をしてくれて、その時大変にお世話になった先生だったんです。普段はしゃっちょこばってお話させていただくんですが、今回はちょっとお友達感覚で失礼したかもしれません・・・(汗)。

先ほどの話にも出ましたが、そういった先生方はずーっとこの醸造業界に関わっていかれるので、任地の移動は度々あるのかもしれませんが、また必ずどこかでお会いすることになります。一度顔見知りになっておけば、これから末永く心強い見方でいてもらえると思います。まあ、特にK先生とは仲良しなわけですが・・・(笑)。

でも、税務署の職員で、手タレ写真を一緒に撮ってくれるなんていう人は、絶対いませんよ(笑笑笑)。

》》》》》》》》》》 【ちょっとお堅い関東信越国税局のホームページ】


□□□ サンセールさんに抜かれた! □□□
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ざる返し

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ほぼ毎日、夕方の仕事の上がり際に最後のひと仕事っていう感じでやっつけるのが、『ざる返し』という作業です。私がやることもありますし、他の蔵人がやることもありますが、ざる返しが始まると、「ああ、今日も一日終ったなぁ」という安堵にも似た感慨が胸に沸き起こります。

私自身は、みんなが帰った後に麹の手入れやら何やらしなくちゃならないので、それで一日が終わりってぇわけじゃぁないんですけど、ホッとする瞬間ではありますね。大して時間はかかりません。ざる返しが終って、米を蔵の中にしまうと、「ご苦労様でした」ということになって、蔵人は帰っていきます。

以前も書きましたが、今では蔵に寝泊りするのは寂しいことに私一人になっていますから、そこでポツンと独りぼっちになっちゃうんですが、出稼ぎの蔵人がいた頃は、それから晩酌と夕飯になりますから、なんともウキウキした気分のひと時でした。何となく、雰囲気分かってもらえるんじゃないですかね(笑)。

このざる返しっていのは何のための作業かっていうと、その日の午後イチにざるで洗ったお米を、別のざるや布の上にザッとあけるだけのことなんです。我が社では麹用のお米は、丁寧に扱うために全てざるで洗います。ざるの数にして8個になります。

洗米して水切りした直後には、まだお米の表面に水分が付着したような状態なわけですが、時間とともにそれが米粒の中に浸透していきます。しばらくしてそれらが全て米の芯に向かって入り込んでしまうと、全体が締まって、ざるの中で大きな塊みたいな状態になるんです。

翌日の朝、お米を蒸すための『コシキ』という大きな蒸し器の中に張り込む時には、お米はサラサラの状態になっていないと、蒸し上がりが手触り良く仕上がりません。このサラサラの状態っていうのもお米の品種によって違ってきたりしますが、とにかく一粒一粒がくっついていない状態が好ましいわけです。

そこで、固まりかけのお米を、別のざるに返してあけ直すことで、サラサラの状態にしようってぇわけです。ですから、二人一組になって、ひとりがざるの米をあけて、もうひとりがドサッと落ちてきた塊をほぐしながら、別のざるに入れ直すんです。

もう一点、いくらざるで水がうまく切れるといっても、ざるの上部と下部ではそのきれ方に違いがあって、ざるの底の方は案外水が残ってベタベタした状態になっているんです。その上下の水分のばらつきを均一にするためっていう意味合いもあるでしょうね。

このざる返しのやり方は、各お蔵でいろんなやり方があるでしょうし、水切れの良いざるを使っていればやらない蔵もあるそうです。ステンレス製の網の開口率の高い1万円もするようなざるならいいんですが、ホームセンターで880円で買ってきた安物のざるじゃぁそういうわけにもいきません(汗)。

今日は何となくホッとするざる返しのお話でした。メインの仕込み作業以外にも、蔵にはこういった細々した仕事がたくさんあります。一日の最後に位置しているのがこのざる返しってぇわけです。私はざる返しが終ると、今晩の夕飯は何だろうと考え始めます(笑)。


□□□ なんか順位がどんどん落ちていくような気が・・・(涙) □□□
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加島祥造先生(つづき)

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昨日、つづきにしますだなんて書いちゃったもんだから何となく書き始めてるんですが、やっぱり哲学だの思想だのなんていう話は書きづらいもんですね。私としては、「これでもベストセラー作家とほんのちょっと知り合いなんですよ」って自慢したかっただけなんですけどね・・・(涙)。

そしたら、追い討ちをかけるように、「うーむ、話しの内容が高尚過ぎて、誰もつっこめませんよ」ってなコメントをMr.Xなる人物からもらって、これ以上自分の理解を超えた内容を書くのをあきらめました(笑)。Mr.Xはたぶん仙台在住で、最近うるめいわししか食べていない、一風変わった男だと見当をつけてるんですが・・・。

それでも、ひとことだけ言っておきたいことがあります。それは昨日も話に出た老子や荘子についての先生の著書は、スンゲー面白いってぇことです。本をいただいたから言うんじゃありませんよ。全然難しい内容じゃないんです。全て口語調で書かれていて読みやすいし、言わんとしている部分も素直に胸に落ちます。

『自分の歩く部分以外の地面を、歩くのに役に立たないからといって全て削り取ってしまったら、足の裏以外の地面の無い断崖の上を歩かなければならないが、それでは足がすくんでしまってとても歩けない。役に立たないと思う使わない地面こそ大切なのだよ』っていうような奇抜な発想で、様々な思想を説いているんです。

もともと荘子の内容なんかは、そういった落語のネタにも使われるような話が多いんだそうですが、それを分かり易くコンパクトな文章にまとめてあります。私が近年読んだ本の中で一番面白かったと言っても過言ではありません。

私が普段考えることに似た部分もあったりして、よけいに共感が持てるのかもしれませんね。私の場合には、思想と呼べるほどのエッセンスにはできないわけですが、「オレと同じ様なことを考えてんだから、荘子っていう男もたいしたもんだぁ」って思いながら読んでました(笑笑笑)。

それは言い過ぎとしても(汗)、現代にも全く通用する考え方がそこにはあるっていうことだと思うんです。あまりに抽象化されてしまうと、思想や哲学なんて現実世界に合うように展開するのは頭のいい人じゃないととても無理でしょうが、なるほどと分かってみると、案外自分の身の回りのことを言っているだけだったりするのかもしれません。

そういうことを凡人に対して、分かり易く通訳していたのが老子や荘子だったんでしょうね。2400年も前の人とはいえ、人間の歴史なんて短いけれど、それでも偉大なものだと思わされます。

》》》》》》》》》》 【たぶん彼がMr.X】
》》》》》》》》》》 【彼女はMr.Xの手先らしい】


□□□ 写真は私がいただいた先生のお描きになった書画 □□□
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加島祥造先生

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駒ヶ根にひとりの詩人が住んでいます。彼の名は加島祥造(かじましょうぞう)。1995年に駒ヶ根に移り住む前には、信州大学や横浜国大で英米文学の教鞭をお取りになっていたとのことです。現在の先生の有り様を拝見すると、詩人でもあり、思想家でもあり、画家でもあり、タオイスト(?)でもありという、マルチな側面を持った生き方をなさっているように感じますね。

私は昨年先生のお書きになった『求めない』という書籍が出版されていたことは知っていましたが、どうやらベストセラーになってるみたいですね。今でも、本屋では平積みになっているなんて女房は言っていましたが、先日私のおふくろがどこかで買い求めてきました。少し読んで、先生らしいと思いましたね。

「求めない・・・」で始まる短い詩のようなセンテンスが何十個も書き記されていますが、もし先生の語り口を知っていれば、そのどれもが先生がそこで語りかけているような感じに思えるんじゃないかな。とつとつとある哲学について話される様子は、全てを悟った思想家そのものっていう雰囲気なんです。私としては『伊那谷の老子』っていうのが、先生を言い表す最もピッタリの表現だと思いますね。

こんなこと書いてますが、先生と直接お話したことなんてちょっとしかありません(笑)。どちらかと言うと、息子さん夫婦といろいろ関わらせてもらったんです。なぜにこれほどにアカデミックな人と多少なりとも知り合いになっているのか、今から考えるとよく分からんのですが・・・(汗)。

駒ヶ根のご自宅で、先生の詩の会をやった時には、遠方から来るお客様に信濃鶴を振舞うスタッフとして仲間に加えていただきました。私の贔屓の蕎麦屋『丸富』のおやじが詩集を出した時も、その記念の会でご一緒させてもらいましたね。先生のお書きになった絵も1枚いただきましたし、上の写真にある『荘子』の本もサイン入りでもらったものです。

この『荘子』を読むまでは、私は先生のことは英文学者であり、詩人であると思っていたんですが、これを読んでからは思想家だと思っています。著者紹介欄には『タオイスト』という聞きなれない言葉で書いてありますが、正にその思想家を表現した単語なんでしょうね。

『タオ』ちゅうのは何なんでしょうねぇ。老子の思想において、万物の出てくる根源の要素のひとつみたいですが、もし漢字一字を当てるとすると『道』ということになるらしい・・・いやぁ、こうなると私にはうまく説明なんかできまへんな(汗)。

老子や荘子といった人たちは、今から2400年も前の中国の人ですが、『老荘思想(タオイズム)』ということで、どうやらペアにして取り扱われることが多いみたいですね。孔子っていうオジサンも同時代にいたみたいですが、この2人とはちょっと毛並みが違う人らしいです。

ですから、『タオイスト』って言うと、『タオイズム』の具現者なのか、伝道者なのか、求道者なのか・・・まあ、この辺で私の解説は止めときましょう(笑笑笑)。ちょっと長くなっちゃったので、明日に続けますが、いったい私はこの後何を書きたいんでしょうね。自分でも分かっちゃないのになぁ・・・。

》》》》》》》》》》 【我が弟もなぜかこの本を持っているらしい】


□□□ たまには思想や哲学もいいかな □□□
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夜食メニュー

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ご存知、私の夜食シリーズです。いつか日曜日は手抜きブログにしようと思って写真を撮り溜めていたら、アップするのが大変なほどになっちまいました(笑)。それに、こんな写真ばかり載っけても、記事の内容として何書いていいんだか分かんないやねぇ(笑)。

でも、いつもと違った試みとして、通常の私のブログの写真サイズの4分の1にサイズダウンして一覧性を高めてみましたが、いかがでしょうかね。どこかの定食屋の写真入メニューみたいになりましたが・・・(汗)。

毎晩、工夫を凝らして夜食を作ってくれる女房には感謝です。基本的には会社で簡単に暖かく食べられるようにということで、お茶漬けとか雑炊とかリゾットとかいう類のものになりますが、どれも案外美味しいんですよ。夜中に眠くてウトウトしながら食べてます。

私:「今日のブログは夜食についての記事にしようと思うんだ」
妻:「あら、何書くの?」
私:「写真たくさん載っけて、手抜きにしようかな」
妻:「そうよ、日曜日くらい早く寝なさいよ」
私:「あの夜食さぁ、大体毎日美味しくいただいてるんだよね」
妻:「ありがとう」
私:「それなりにオリジナリティに溢れているしさ」
妻:「毎日考えるの大変なのよ」
私:「どういうふうに味付けなんか考えるのさ」
妻:「そうねぇ、味のバランスがいいように考えてるわね」
私:「他には」
妻:「ちょっとした隠し味をつかうとかね」
私:「へぇ、普段の料理じゃぁ、自分で考えるといつも失敗するのになぁ」
妻:「・・・」
私:「あの夜食だけは外さないんだよなぁ」
妻:(ギロッ!)「ちょっと、アンタ、今何言うた?」
私:(ギクッ!)「え?いやいや、普段の料理もそりゃ美味しいです、ハイ(汗)」
妻:「夜食以外じゃぁ、私が考えた料理は美味しくないっていうこと?」
私:「そんなこと言ってないよ、特に夜食は美味しいと」
妻:「言ったじゃないのよっ!夜食だけ美味しくてすいませんねっ!」
私:「そんなことないよ、誤解だよ」
妻:「5階も6階もないわ、今日は夜食は作んないから!!!」

・・・完全に、取材に失敗しました(涙)。


□□□ 作り話ですよ(半分ね・・・笑) □□□
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偲ぶ会

昨日は本当に飲みに行ったんですよ。でもそれは、制御盤が直ったお祝いじゃぁなくて(汗)、毎年恒例の飲み会だったからです。かつての友人Kさんの命日が今年もやってきました。もう、あれから6年も経ちました。毎年彼のことを偲んで、いつもと雰囲気の少し違う、しっとりとした飲み会が開催されるんです。

私にとってはちょっと切ない思い出ですが、それでも6年も経つとそれほど悲しい気分じゃなくて、彼のこと思い出すんなら飲むしかないよねっていう感じで楽しく飲むんです。まあ、何か理由があると飲みに出やすいっていうのが本音でしょうかね(笑)。

参加者は毎年一緒、行く店も同じです。まずうなぎ屋の『うの字』、次に居酒屋『ぶんぶん』です。うの字の大将はKさんの同級生だし、ぶんぶんはKさんの行きつけでした。うの字には私たちが行く前にも他の同級生の方がみえていたようです。

毎年この頃になると、それなりにみんなに思い出されてるんだから、Kさんも幸せだよね。もう死んじゃったんだから誰も悪口なんか言わないし、トラは死んで皮を残すって言うけど、Kさんは亡くなって飲み会の口実を残してくれたっていうわけだぁね(笑)。

あまりに突然の、あまりにあっけない逝き方だったので、私も自分が今やれることを精一杯やって、しっかりと生きていかなくっちゃと思ったもんでした。もしかしたらそれは、信濃鶴の純米化にあたっての見えない力となって、影で後押ししてくれていたのかもしれません。

毎年考えるんですよ、「彼に今の信濃鶴飲ませたら何て言うかなぁ」って。きっと辛口なこと言うんだろうけど、東京のこんな店で信濃鶴を売ってくれてるんだなんて言ったら、驚くだろうなぁ。あの頃じゃぁそんなこと、とても考えられなかったもんなぁ(笑)。

自分と大して歳の違わない人の死というのは、自分もいつそうなるか分からないっていう感覚を呼び起こしますが、昨日みたいな飲み会をやっていると、自分の死に際よりも、死んじゃった後にみんなにどんなふうに酒の肴にされるのかの方が気になりますね(笑)。

私が今思っている自分があの世に逝くにあたっての望みは、女房よりは先に逝きたいっていうことですかね。だって、何食っていいかわかんないし、どこにパンツがしまってあるかも分からないもんねぇ・・・まあ、もうちょっと先の話にしといてもらいたいですけどね(笑)。

お前、この飲み会に間に合わせるために、昨日記事にした制御盤直したんだろうって?よく分かったじゃぁないですか。思いって通じるもんですねぇ(笑笑笑)。

》》》》》》》》》》 【ちょっと涙のKさんの記事】


□□□ 会社の名前からいって長生きできると思います □□□
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制御盤

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とてもうれしい事があったので記事にしときましょう。写真を見てください。これは、もろみを搾って酒と酒粕に分離するための圧搾機の制御盤です。それなりに見えるかもしれませんが、もう30年以上も昔の代物です。実はコイツの調子が、今期の造りを始めた当初から悪かったんです。

ひとことで言っちまえば「うまく動かねー」っていうことなんですが、手動で動かす方法もあって、これまではずっと我慢して手動でやってきていたんです。そろそろ新しいのに替えなくっちゃかなぁって思いながらね。メーカーに問い合わせてみると、この制御盤だけ替えればいいということでしたが、お値段ナント100万円也!・・・ということで、躊躇していたんです(汗)。

メーカーに修理してもらえばいいと思うでしょ?でも、そうはいかないんです。あまりに古くなりすぎちゃって、代替のパーツも全く無くって、修理対象外になっちゃってるんですよ。新調するしか方法は無い状況だっちゅうことです(涙)。

この制御盤がやってること自体は単純です。もろみを袋状になった濾布(濾過するための布)の中に入れて、それを空気圧を利用して搾っていくんですが、いきなり高い圧力で搾り始めると酒にオリが出てしまったりするので、徐々に圧力を上げていきながら搾るのが通常のやり方なんです。

ですから、この制御盤は一定の時間、例えば30分毎に空気の圧力を少しずつ上げていく仕事をしてるんです。1気圧から6気圧まで0.5気圧ずつ上げていくとすると、10回設定を変更しなくっちゃなりませんよね。すると、トータルで300分をかけて圧力を上げていくことになります。

それを手動でやるとなると、やっていること自体はつまみをちょっといじるだけの仕事ですが、一晩に何回もこの機械の所へ行って様子を見なくっちゃならないことになるじゃないですか。結構大変なんだな、これが(涙)。

そこで、気合を入れて、イチかバチかの勝負に出ることにしました。自分で修理に挑戦してみて、直ればOK、直らなきゃ新調するってぇことにして、悲壮な覚悟を持ってこの制御盤の裏を開けて大手術に取り掛かりました。いろいろといじくってみて、ある程度故障箇所のめぼしはつけてあったので、そこを中心に攻めます。

大体の確証を得たところで、本気で分解する前に、まずこの圧搾機のメーカーの営業部に電話。新品の制御盤は荷造り料も含めていくらかかるのか、在庫はあるのか、すぐ発送可能かを聞きました。明日にも発送可能ということだったので、ひとまず安心。

次にこのメーカーの製造部に電話。この機械のことが分かる人に相談します。考えられる原因は何か、その部分を分解したら中はどうなっているのか、素人でも分かる構造かどうか。いくつかヒントをもらって、いよいよその心臓部を分解してみました。

なんだこんな単純な構造かよぉっていうくらいの物でしたが、配線がゴッチャゴチャで悪戦苦闘。私の予想していた部分は、どうやら正常に動いているみたいでした。回路の流れを順番に追っていって、ついにこれしかないだろうという部品にまでたどり着いたんです。結局古い部品の中の接触が悪かったようでした。

エイヤッ!と手で強引に調整してみて、電気を入れてみると、動きました!!!具体的にいうと写真の中で、大きなメーターの一部が光ってるじゃぁないですか。あれが光らなかったので、正常に動かなかったんですが、ちゃんと光るようになりました。

やったー!!!これでもう少しは使えるようになって、100万円の出費は先延ばしになりました。それよりなにより、これで心置きなく外へ飲みに出られまっせぇ・・・それが目的かいって言われそうですが、そうですそれが一番の目的です(笑笑笑)・・・と、いうことで飲みに行ってきますね。


□□□ 本当に行ってきます □□□
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バレンタイン

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今日はバレンタインデーでしたね。この歳になって、別に誰からチョコレートをもらうわけじゃぁないんですけど、娘だけはお父ちゃんに気を使ってくれます。女房に聞くと、何やらお父ちゃん用にチョコレートを手作りしてくれてあるとのこと。夕方、わざわざ電話もかかってきました。

娘:「今日は、早く帰ってきてね!」
私:「ああ、分かったよ。なるべく早く麹の手入れして帰るからな」
娘:「35℃じゃなくて、34.5℃になったら手入れしてよ!」
私:「ハイハイ」

いつも麹の手入れは、麹の温度が35℃になったら麹ムロへ行って作業をすることを知っているもんだから、それよりも前倒しにやっちゃって、なるべく早く帰って来いと指示されました。杜氏に手入れの時間まで指図すんなよなぁ(笑)。

家に帰ると、待ちかねていたように玄関から飛び出してきて、私の手を引っ張って居間まで連れて行きます。用意してあったチョコレートの包みを渡してくれました。ああ、うれしい!ありがとう!私があまり甘い物は食べないのを知っているので、極々ひかえめに包んでくれてあります(笑)。

根っからの飲兵衛の気性なのか、私は甘い物はほとんど口にしません。嫌いというわけじゃぁないんですけど、自分から進んで食べることはありませんねぇ。それでも、造りの時期も山を越えて疲れが溜まってくると、無性に甘い物を食べたくなることがあります。今がちょうどそんな時期なので、その場で美味しくいただきました。

娘たちは、学校の友達同士で手作りチョコレートの交換をするみたいです。他の子にもらったチョコレートを見せてくれました。みんな手の込んだものを作っていて、どれも美味しそうでしたね。『友チョコ』と言うらしいです。

娘:「これが○○ちゃんのくれた友チョコ」
私:「おお、きれいに作ってあるねぇ」
娘:「これは△△ちゃんの」
私:「なんかいい香りがするじゃないか」
娘:「□□ちゃんねぇ、今年は本命チョコもあげたんだって!」
私:「ほ、本命チョコってなんだ?」
娘:「決まってるじゃない、好きな男の子にあげるチョコのことよ」
私:「お、お前はそんなチョコ誰かにあげてないだろうな?」
娘:「さあね、分かんないわよ・・・」
私:「な、何言ってんだ!小学生の分際でそんなことは早いに決まっとろうが!」
娘:「お父ちゃんこそ何言ってのよ!バレンタインデーっていうのはねぇ・・・」

バレンタインデーのいわれを長々と説明して、好きな男の子にチョコレートをプレゼントするメルヘンチックなストーリーを私に理解させようと試みたみたいです。でも、そんなことじゃぁお父ちゃんの気は収まらないよ。ダメなものはダメです!

それに、そのお話のどこにもチョコレートのチョの字もチョっとも出てこないじゃないか。ああ、やっぱりお前はチョコレート業界の策略にはめられてるんだよ!本命チョコの事なんか早く忘れて、いつまでもお父ちゃんだけに「I LOVE」と言っていておくれ・・・(涙)。


□□□ 義理チョコ受け付けます □□□
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棒三題(解答その4)

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さあ、いいかげんに答え合わせです(笑)。コメントをいただいた方の中では、HKさんと葡萄屋さんが正解でしたね。それでは信濃鶴1年分を贈呈いたします・・・心の中でね(笑)。皆さんも大体は見当つきましたか?

こいつの名前は『尺棒(しゃくぼう)』と言います。タンクの中のもろみとかお酒の容量を測る時に使うんです。簡単に説明すると、タンクの上の面の基準となる高さのところから、中に入っている液体の上面までの距離を測って、それをリッター数に換算するっていう仕組みです。

上の写真にもあるように、上部が閉じて作ってあるタンクには、この尺棒を入れるための専用の穴が開いています。『天星(てんぼし)』なんて私たちは呼んでいますが、日本全国そういう名前なんでしょうかね(汗)。上部が完全に開いているタンクの場合には、タンクの縁に掛かる専用の渡し木があって、それに引っ掛けて使います。

天星から尺棒を静かに下ろしていきます。この時に勢いよく入れたり、尺棒の先が揺れたりすると、液面が波立って正確に測定できません。尺棒の上部の辺が天星の縁にあたるまで下ろしたら、心の中で「1・2・3」と数え、今度は再びゆっくりと引き上げます。一連の動作はゆっくり、静かに、落ち着いてやらねばなりませんよ。

引き上げてきた尺棒は、液体に触れた部分は濡れて出てきますから、濡れた部分と乾いた部分の境目の数字を読めば、タンクの上部に空いている空間の液面までの距離を測定できることになりますね。真ん中の写真では726ミリにほんの少し足りないようなので、728ミリと読みます。

ちょっとこんがらがっちゃうのが、この長さの数字が大きければタンクに入っている液体の容量は少ないし、数字が小さくなればなるほど容量が多くなるっていうことです。慣れるまではちょっと考えちゃいますね。この長さが0のところが、そのタンクの満量の容量っていうことになります。

ね、これで尺棒の目盛が2ミリ刻みになっている理由が分かりませんか?1ミリ単位にしてみたって、そんなに正確に測定なんてできねーんですよ(笑笑笑)。ちょっと揺れただけでも変わってくるし、もろみなんか泡が立ってたりしますから、そんなに詳しく測定する意味がないんですよね。

それに、尺棒が木製でなくっちゃならない理由もお分かりでしょう。プラスチックや金属じゃぁ、ちゃんと液面の筋が残らないですもんね。尺棒の材質には、きっと真っ直ぐでゆがみの少ない木の種類を使うんでしょうが・・・それにしても原始的だよなぁ(笑)。

更に原始的な作業は続きます。今度は、測定した距離がいったい何リッターに相当するのか変換しなくちゃなりませんよね。そしてこれまた原始的な『2ミリ表』なる換算表があって、それを読むことになります。

例えば、尺が1302ミリだったとすると、下の写真の2ミリ表を読むと、3409リッターだって分かるんです。この2ミリ表は各タンクごとに専用の物が用意されているんです。どんなに正確に作ったとしても、数千リッターの大きさのタンクを全く同じに作ることはできないからです。この2ミリ表って手書きだぜぇ。これが1冊の分厚い帳面に全てのタンク分綴ってあるんです。スゲーでしょ(笑)。

こんな風にして、毎日お酒の量とかもろみの量を測定して作業を進めているんです。蔵の中の仕事って、体を使う仕事は体力勝負だし、頭を使う仕事も結局体を動かしてるみたいな・・・(笑)。最先端のテクノロジーは使いませんが、自分の体と感性を最大限に使った仕事ってぇのも、面白いもんですよ。


□□□ こちらは指先を使って下さい □□□
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棒三題(解答その3)

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さーて、最後の問題の答えです・・・が、コイツは難しかったでしょう。私もたぶん誰も分からないだろうと思ってました。何の予備知識もなく、この棒の用途が分かる人はまずいないでしょうねぇ。あまりにチンプンカンプンなままで、解答を言っちゃうと感動が薄くなると思うので、今日は追加のヒントを出して、もうちょっと考えといてもらいましょうかね(笑)。

とか何とか言って、このネタを引き伸ばそうとしているように思われるでしょうが・・・その通りです(笑)。本当のこと言うと、この道具の説明をするのにもうちょっと別の写真を撮っておいた方が良かったと今になって気が付いたんですよ。

それと、どーゆーわけか今晩はやらなくっちゃならない仕事が細々と目白押しで、蔵に入ったり出たりを繰り返しているんです(涙)。なんとも落ち着かない夜になっちまって、腰をすえて記事を書いてられないような状況で、こーなりゃこのネタを引っ張っちまおうっていう算段なわけです(笑)。

上の写真がヒントです。遠くからだと1センチ程度の角材をTの字につないであるだけのように見えたでしょうが、近くへ寄って見ると長い方の棒に細かく目盛が付けてあります。単純に考えれば、何かの長さを測るために目盛が付いてるんでしょうねぇ。

もう少し詳しく言うと、目盛は2ミリ間隔で付いています。1ミリ間隔でないことに何か意味はあるんでしょうか。2ミリ単位で測らなくっちゃならないものって、何なんでしょう。棒にはめてある小さな白い輪ゴムも、大きな役目を持っているんですよ。

それから、この道具は木製でなければ役に立ちません。全く同じ形のものを、プラスチックや金属で作っても用をなさないんです。目盛を付ける必要のあるような道具なら、金属の真っ直ぐな棒の方が正確に測れると思いませんか?なぜ木製なのか?これも大きなヒントですかねぇ。

コメントいただいた中では、何かを均すための道具っていうのが最も素人っぽくて好感の持てる解答だったんですが(笑)、それよりもはるかに重要な役割を担っている道具なんです。「蔵の中で重要と思われる道具を3つ挙げなさい」と、全国の蔵人にアンケートを取ったら、間違いなく上位にランクインするでしょう。

最後にひと言付け加えると、極めて、真に、本当に、間違いなく、笑っちゃうくらいアナログな道具です。


□□□ 2位に定着してます □□□
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棒三題(解答その2)

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今日は、先日出した問題の答え、その2です。こいつも正解率高かったですね。ご覧の通り、デジタル温度計です。棒状のセンサー部分と、電子部品と液晶表示部分が一体になったタイプです。まあ、どえらく長い温度計ってところでしょうかね。

何でこんなに長いかってぇと、お察しの通り、タンクの底の方まで温度が測れるようにですね。そんじゃ、何でタンクの底まで測らなくっちゃならないのかっていうことになります。上の方の一箇所が測れればいいじゃんって思いませんか。

もろみの発酵が進むと、炭酸ガスが発生してもろみが自分自身で反転して、タンクの上と下で物量が入れ替わるように対流します。発酵が終盤になるとそれほどでもなくなりますが、タンクの中って結構ダイナミックな動きがあるんです。前回の問題に出ていた櫂棒で、毎朝撹拌する作業もしているので、案外タンクの中って均一な温度なんですよね。

それでも、正確に温度を測定したい時や、仕込み直後のもろみがまだ硬い時期や、タンクの外側からもろみを冷却しているような時には、タンク内のいろんな場所の温度を見てみないと、全体としての平均値みたいな値を把握できません。ですから、タンクの底まで測れるように、センサー部分の柄が長いんです。小さなタンク用のものは短いタイプもあります。

もろみばかりではありません。もろみを搾って清酒になってからも、タンク内での温度を測ることがあります。お酒の主たる成分はアルコールなわけですよね。アルコールってぇのは膨張率が高いもんだから、例えばタンクの中に1万リッターありますよって言っても、0℃の1万リッターと、30℃の1万リッターは同じ量ではありません。

簡単に言うと、30℃で1万リッターの容量の酒は、0℃になると9850リッターくらいになります。これは定められた係数表があって計算が出来るんです。ですから、本当に厳密にお酒の容量を問われた時には、15℃換算でのリッター数として計算しなくてはならないんだと思います。私もそんな状況に遭遇したことはありませんから、実際に経験したわけじゃぁないんですけどね(汗)。

最近こんなこともありました。お米を洗うための井戸水を前の日にタンクに汲んでおいたんです。次の日にそのタンクの底に付いている口から水を出してみると、6℃くらいだったんです。いくつもの桶に汲んでいくと、そのうちに8℃くらいの水が出てくるじゃありませんか。水温を揃えたかったので、これじゃあダメだということになって、一回タンク全体を櫂棒で撹拌して水温を見てみると、9℃近かったんです。

つまり、前日に汲んだ井戸水は14℃くらいですから、一晩寒い外気にさらされて、全体としては5℃くらい水温は下がったんだけど、撹拌する前には6℃の部分から10℃以上の部分までタンクの中に分布していたってぇことになるんでしょうね。大量の水っていうのは簡単には冷えていかないものなんだなぁと実感しましたねぇ。

話がそれましたが、蔵の中ではもろみやお酒の温度を測る場面が毎日あって、その時に活躍しているデジタル温度計なんです。ひと昔前までは、デジタル温度計っていうのは精度が悪いって言われていました。キチンとした精度で測定できるデジタル温度計は確か10万円近くしたと思います。我が社にも昔のものがあります。でも、今では安くて精度の高いものが売られているので、安心して使うことができるようになりました。

もっともっと以前には、デジタル温度計なんかなくて、水銀の温度計か、理科の実験で使うようなアルコール温度計しかありませんでした。それらは今でも蔵のいたるところで現役選手です。そいつらはまた別の安心感がありますね・・・電池無しでも測れるっていうエコな温度計たちですからね。


□□□ ランキングの戦いは熱くて測定不能 □□□
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棒三題(解答その1)

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皆さん、一昨日の問題分かりましたか?コメントいただいた皆さん、ありがとうございました。全問正解したら、信濃鶴1年分ドーンと賞品に付ける予定でしたが、どなたも全問正解ではなくって、主催者としても大変に残念な気持ちで一杯です・・・ウソです(笑笑笑)。

同じ様な長さの棒状の道具が目に付いたので、並べて写真を撮ってみたっていうだけのことだったんですが、意外にもいいネタになってくれたかもしれません(笑)。今日から、ひとつずつ解説していきますね。

とは言え、最初の問題は簡単過ぎましたね。解説するほどのことじゃぁないでしょう。これは『櫂棒(かいぼう)』と言って、タンクに入っているもろみやお酒を撹拌するための道具です。皆さんのお宅のお風呂にも、これのちっちゃい版があるんじゃないでしょうか。

昨日の写真に写っているもので、2メートルくらいの長さでしょうかね。もっと長いのも、もっと短いのもあります。撹拌するタンクの大きさに合わせて使い分けるんです。我が社では一番長いのでも、2メートル30センチくらいだと思いますが、もっと大きなお蔵のもっと大きなタンク用にはもっと長い櫂棒じゃないと底までとどきません。一番短いので1メートル50センチくらいかなぁ。それは酒母用の小さなタンクに使います。

私が蔵に入った頃には全て木製だったんですよ。まっすぐな木の棒の先に、真ん中にちょうどその棒が入る穴の開いている分厚い木の板がはめ込んでありました。全部手作りだし、同じ形の物なんかないので、使い易い櫂棒とそうでないのがあって、お気に入りの一本を使うと、うまく仕込みができたような気がしたものでした(笑)。

木製のものをもろみに突っ込むわけですから、その櫂棒にはもろみが染み込みますよね。ですから使った後には、もろみの入り込んだ部分は、竹のブラシのような道具で削り取るようにしてしっかりと洗ったもんです。いくら洗っても菌を取り除くことはできませんし、洗い残した成分を餌に別の雑菌が繁殖してもいけませんから、洗った後には熱湯で煮て殺菌してましたね。

写真の櫂棒はアルミ製の棒の周りに特殊なコーティングがしてあるタイプです。その他にもグラスファイバー製のものもあります。いずれももろみや酒が染み込むようなことはありませんから、お手入れはとても簡単になりました。ただ、手に馴染むっていう感じはありませんけどね。

蔵で育成しているもろみに異なった酵母を何種類か使っている場合には、その酵母同士が混ざり合わないように、酵母毎に櫂棒も取り変えるんです。毎朝全てのもろみに櫂入れをするわけですが、元気に自分で対流していたり、底の方からガスが吹き出てきたり、仕込んだ直後はとても重かったり・・・櫂を入れることで直接もろみと対話することになるんだと思います。

シンプル極まりない道具ですが、こいつを使って上手いこともろみを均一に仕込むには、相当な腕力と、ある程度の慣れが必要です。もろみ番を任された蔵人は、この櫂棒1本で仕事をこなしているようなものですね。私も、「専務が仕込むと後の管理がしやすいんだ」と昔の杜氏さんに言われるまでに何年もかかったっけなぁ。


□□□ これは皆さん分かったでしょうね □□□
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大雪

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いんやー、どえりゃー降りましたよ、雪!全国的に降ったみたいですけど、皆さんのお住まいの地域はどうだったでしょうか。今日は会社に夜の11時前に戻ってきました。雪自体は小降りになってきていましたが、構内に入ってきたら30センチ以上は積もっていたでしょうか。

1週間ほど前に降った雪もまとまった量で、それがまだまだ融け切らないうちに、今回の更にまとまった量の雪が降ったっていう感じです。私の車は4輪駆動の車高の高いRVなんですが、車の腹を雪ですりながらでないと入って来れませんでしたよ。

会社まで来る途中の道にもそれなりに積もっていましたが、我が社は建物と建物の間が吹きだまりの様になってしまうので、余計にたくさん積もっているように見えるのかもしれません。数年前にこれの倍くらいの量が一晩で降ったことがあったんですが、その時は車の腹が雪に乗り上げてしまって、亀の子状態で運転できずに、家に帰れなかったことがありました。

ネットで天気予報を見ると、どうやらこれで雪は止むようなので、一念発起して雪の軽いうちに蔵の周りの主要部分の雪かきをやっちまいました。明日の朝はまた仕込み準備で忙しいので、今晩中にやった方が気楽だろうという判断です。パウダースノーって言えばいいのか、すごく軽い雪で助かりましたねぇ。

一番大切なのはトイレまでのルートの確保です(笑)。トイレだけ少し離れた場所にあるので、蔵の出口からと、私の部屋からトイレに行けるように汗をかきかき、雪をかきかきしました。きっと昔の人たちは、トイレを蔵から離しておこうとしたんだと思いますが、今となってはいい迷惑ですね(笑)。

あとは、米蔵と蔵との間と、道具の干し場の周りと、私の車の置き場の周りくらいをやっておけばとりあえず安心です。メインの物干し場は蔵の1階部分の屋根の上にあるんですが、ここは簡単には雪かきができません。またしばらくは洗った布なんかを外に干せなくなります。蔵の中に干しても、うまく乾かねぇんだよなぁ(涙)。

大雪が降る度に思うんです、豪雪地域の人たちの暮らしって大変なんだろうなぁって。除雪に要するマンパワーもお金も、雪の降らない地域から見れば全く余分にかかるものに思えますもんねぇ。ただ、雪が降るからこそ出来るってぇこともあるんでしょうけどね。

例えばお酒の雪中貯蔵なんていうのはよく聞きますよね。1升ビンに詰めたお酒を雪の中に埋めておいて、温度0度、湿度100%の環境で熟成させることによって、よりまろやかやな美味しさにすることができるんだとか。そんなことはよっぽどの雪の量がないと出来ませんからね。

もうひとつ過去に聞いて羨ましいと思った雪の使い方は、新潟のお蔵さんでしたが、専用に作った蔵の中に貯蔵用のタンクを置いて酒を入れ、雪が降る度にその蔵の中のタンクの周りにへどんどんと雪を放り込んでいくんです。気候が暖かくなるにつれて雪も融けていきますが、それでも最初から電気を使って冷蔵し続けることを思えば、かなり安上がりなんじゃないですかね。

長生社のある駒ヶ根市はそれほど雪の降る地域ではありませんが、ややもすると今回のようにドカッと降ることもあります。あまり降り慣れていないので、日常生活も結構混乱しちゃったりします。私としては、明日の朝、蔵人がみんな時間通りに間に合って、いつものように仕込みが出来さえすればそれでいいんです(笑)。


□□□ 昨日の問題の答えはまた明日 □□□
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棒三題

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蔵の中のことを紹介するのも、ただ単に「こんなんですよー」っていう具合に書いちゃうとマンネリ化すると思われるので、今回はクイズ形式で皆さんにも考えてもらいましょう!今日は出題だけなので、すごく手抜きな記事ににできるはずです(笑)。

さて問題です。
『写真に3本の棒状の器具が写っています。これらはそれぞれに毎日蔵で使う重要な道具です。これらの棒はそれぞれどんな用途に使用するのか答えなさい』

これで、今日の記事は終わりにしちゃおうと思ったんですが、まあ、そういうわけにもいかないので、少し話を続けましょうかね(笑)。

我が酒造業界は歴史が古いので、使っている道具なんかもすんげー昔からそのまんまってな物も多いんですよ。私も蔵に入った当初は、「この時代にそんなアナログな!」って感じる物がたくさんありましたねぇ。でも、使い込んでみると、現代的な技術を駆使した道具より使い勝手が良かったり、シンプルさゆえの愛着の湧く物が多いんです。

格好はどれもシンプルですよね。写っている場所は明るい所を選んだだけなので、その用途とは全く関係ありませんよ。3本ともそれぞれに全く用途は異なります。ですから、3個別々の問題が出されたと思って下さいね。明日から、1個ずつ解説していこうと思ってます。

少しヒントをさしあげましょう。右の2本はアナログな道具。左の1本はデジタルな道具です。当然3本とも、もろみやお酒の管理や計測に使用するものです。すぐに分かりそうな物もあるし、業界関係者でなきゃ絶対に分からんだろう物もあります。当てずっぽうでいいので、皆さん考えてみてくださいね。

蔵の中で使う道具を考えてみると、昔のものほどシンプルですが、使用にあたっては多少の熟練を要するってぇ感じじゃないですかね。そりゃ、どんな道具だって誰が使っても使えますが、習熟度合いによってその性能や精度に違いが出ちゃいますね。

ですから、そんな道具を使いこなせる蔵人が集まった蔵と、そうでない蔵ではもろもろの管理や測定に違いが出るのは当然で、それが最終的な生産物としてのお酒の品質に影響してくるのは間違いありません。私なんか、いかに経験による習熟が大切か実感する毎日ですよ。

そういう影響を極力排除しようっていうのが、現代的な道具の基本的なスタンスだと思うんです。誰がやっても同じ結果になるっていう考え方は間違いではないでしょうが、習熟によって極められる技に価値を見出す。その評価基準ってこれからますます大切になる気がしてるんです。例えそれが現代版の道具に劣ったとしてもね。

いろいろ余計なことも書きましたが、明日から種明かししますから、皆さん考えてみてください。全問正解者には・・・なんにも出ませんがね(笑)。


□□□ なんかビール大好きな人がランキングに多いねぇ □□□
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新酒

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今月に入ってからというもの、まともに蔵の中の事が記事になってませんね(汗)。吟醸仕込みの反動だと思ってください。ブログ書く時くらい酒造りから逃れたいと思っていたりして・・・(笑)。それじゃぁイカンというわけで、今日は業務連絡系(?)の内容でいっときましょう。

現在の蔵の中での酒造りの進捗状況を説明しますと、昨年の11月に今期の造りに入ってから、もう既に22本のもろみを仕込んで、12本が搾れて酒になっています。19本目と20本目が純米大吟醸で、21~28本目が特別純米で、それ以外は普通純米酒です。全部で40本仕込む予定です。

昨年の末に、無濾過の原酒生酒をビン詰めしたところ、蔵から蒸発するようにあっという間に売切れてしまいました。皆さん本当にありがとうございました。この原酒生酒が今年度の新酒としては、初めて商品になったものでした。しかし、量的には720mlで1000本程度ですから、大した量じゃぁなかったんです。

今日は、我が社のメイン商品である『信濃鶴普通純米』が、そろそろ新酒に切り替わろうとしていますから、そのご案内ってぇわけです。昨年の12月までで、前期の造りの純米酒は全てビン詰めしてしまいましたので、今年の1月中にビン詰めした普通純米酒から、ほぼ全て新酒になっていると思ってください。

写真ではピントが合っていませんが(汗)、レッテルの右下に『製造年月20・1』と打ってあるものからは新酒です(たぶん)。こんなに早い時期に、メインの商品が新酒に切り替わる蔵は珍しいかもしれません。普通はもっと在庫があって、春先や、もっと行くと秋口に新酒に切り替わっていくのが一般的だと思います。

これはその蔵の考え方なのでいろいろあっていいんでしょうが、我が社の場合は過去の経過から、前期の造りの酒が切れるのと新酒が搾れるのを合わせるくらいにして、在庫をあまり持たないようなやり方になっています。新酒をいきなりビン詰めするので、それまでの酒と味が変わってしまう部分もあるわけですが、新年になったら新酒になって、1年間の中でお酒の熟成具合の変化も楽しんでもらおうという、勝手な解釈でメリハリをつけています(笑)。

中身の方は、搾れて間もないお酒ですから、通常の製品のように2回火入れ(加熱殺菌)ではなくて、1回火入れになっています。タンク内での熟成がされていませんから、多少粗い味になっているかも知れませんが、新鮮なフルーティーさはより残っていると言えるかもしれませんね。

多少裏話をすれば、やはり最初の方のもろみは、その年の米に慣れていないので手綱捌きが難しい部分があって、なかなかお酒の成分を揃えられないんです。始めのうち私は少し米を溶かし過ぎてしまって、搾るまでの日数がいつもより長くかかってしまいました。品質的に問題はないと思いますが、コイツ下手だなぁって(汗)・・・まあ、この話は聞かなかったことにしといてくださいね(笑)。

お酒の出来は皆さんに評価していただくしかありませんが、相変わらず信濃鶴してます(笑)。これから他の商品も徐々に新酒に切り替わっていきますので、引き続き純米信濃鶴をよろしくお願いします!!!


□□□ あまり順位落ちてないですね □□□
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睡魔

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この件に関しては、昨年もどこかで書いたような気もするんですが、同じだったら同じでしょうがないので、書いちゃいますね。ブログを初めて1年と4ヶ月が過ぎましたが、毎日書いてりゃぁ、過去に何書いたかなんて忘れちまいます。読者の皆さんも覚えちゃぁいねーだろーということで進めましょう(笑)。

さて、皆さんは1日のうちで、いったいいつ頃が一番眠いですか?朝の寝起きは誰でも眠いということで抜くとして、日中から夜にかけての時間の中で必ず眠い時間帯ってあるでしょうか。お昼寝を習慣づけている方は、昼食の後になると必ず眠くなってきたりするんじゃないですか?

私は冬の造りのこの生活をしている時期には、とにかく変な時間に眠くなるんです。それも尋常ではない睡魔に襲われるんです。毎日決まってその時間なんですが、何時かってぇと・・・それは午後6時頃なんです。

うちの蔵は泊まりは私しかいませんし、始業も年間を通して8時半なんです。朝の4時頃から仕込み作業が始まるお蔵もあるって聞いた事がありますが、酒蔵とすると非常に遅い始め方だと思います。

私は6時過ぎには起きていますが、実際に蔵の中を飛び回り始めるのは7時半からです。しかし、始まってしまえばやるべき仕事が1日中詰まっていますから、昼食もゆっくり食べられる日の方が少ないです。何かハプニングが起こったり、誰かが休んだりすると、更に輪をかけて忙しくなっちまいます(涙)。

そんな1日が終って、社員のみんなが帰るのが夕方の5時半です。私も帳面仕事なんかが残っているわけですが、それでも蔵に誰もいなくなると気が抜けるんでしょうね。1日走り続けてきた疲れも出て、みんなが帰ってからしばらくすると、どえりゃー眠くなってきます。そりゃもう自分じゃないみたいに眠いです(笑)。

どのくらい眠いかっていうと・・・よくテレビで『投稿ビデオ大賞!』みたいな番組があるじゃぁないですか。あの中でよくある作品が、ちっちゃな子供が眠くて眠くてしょうがなくて、頭がぐらんぐらんしてるんだけど、途中でフッと我に返って気を取り直して、でもまたぐらんぐらんし始めて、最後に目の前のご飯の中に顔を突っ込んじまうっていう落ちのやつです・・・あのくらい眠い(笑笑笑)。

その姿をビデオに撮って、自分で見たらきっと死ぬほど大笑いできるだろうと思うんですが、本当にウトウトしてキーボードに突っ伏して寝込んじゃいます。どうせ仕事しないんなら、その時間に今日のブログの記事でも書けばいいんですが、そんなこととてもやってられません。

こんなに眠い瞬間っていうのを他で経験したことはありませんね。正に睡魔と呼ぶにあいふさわしい眠さです。ほんのちょっとだけでも横になって寝ればいいじゃんとも思いますが、一旦寝込んだら起きられなくなるのは間違いないので、やらないことにしています。この写真の椅子でどのくらい寝たことか・・・。


□□□ この睡魔との戦いがあと2ヶ月残っています □□□
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慣れの罠

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これまで、蔵でいろんな人と一緒に仕事をしてきましたが、私を含めて多くの人はその仕事に慣れてくると、少しずつ楽をするようになっちゃいますよね。悪く言えば手抜きってことになりますか。当然、効率良く以前の仕事のレベルを下回らないように楽ができるのであれば、それに超したことはありませんけど・・・。

でも、大抵の場合は、楽をした分、仕事の質は落ちちゃうんじゃないでしょうか。よっぽど注意深くやったとしても、楽をしておいて以前以上のアウトプットを得るっていうことはあまりない話でしょうねぇ。

最初にその仕事を始めた時っていうのは、非常にぎこちないわけですけど、守らなくっちゃならないことをひとつひとつクリアして、丁寧に仕事をしているはずです。そして、何回も同じ仕事をこなすことで、自然に守るべきポイントを押さえつつ、流れるように作業ができるようになってきますよね。

その先が問題なんだな、これが。あまりに流暢に事が進んでいくうちに、大切なポイントが頭の中から抜け落ちてしまったり、「これでも大丈夫だろう」なんていう勝手な思い込みで、楽な方へ楽な方へと知らないうちに流されていっちゃうことが多いんじゃないでしょうか。

この慣れの罠に気付かずに、手を抜いた分仕事が更にはかどる様になるもんだから、一段と自分ができるヤツになってきたんだと、勘違いしちまったりなんかしてね(笑)。しかし、そこでどう軌道修正できるかで、職人としての技量のひとつが試されるような気がします。

まず、自分が流されているってぇことに気が付くか、付かないか。ここが大きな分かれ目でしょう。気が付かない人は、誰か他の人に指摘してもらうしかありません。気が付いても直せない人は、積極的に誰かに聞くことができます。気が付いて、自分で修正して元に戻れるっていう人が理想でしょうかね。

まあ、そういうことに関係の無いタイプとして、最初に言われた事を完璧に維持し続けられる人は、もうそれだけで相当レベルが高いと言えると思います。しかし、そういう人は後退しない代りに前進もしないと言えるのかもしれませんけどね。

正に、「初心忘れるべからず」なわけですが、もっと欲を言えば、元の仕事を更にいい方向に発展させられると、今度は成長していけるっていうことになりますよね。どんな仕事もある程度まで突き詰めれば、もうどこにも先生なんていないっていうレベルになるでしょう。その状況下で、「自分の力で今の自分を超えられる人」が出色の職人となる、ひとつの要件のような気がしています。

自分だってその慣れの罠にはまっちゃうような未熟者なのに、何ともおこがましい記事でしたね(笑)。写真は職人技の塊、今日の麹。


□□□ ブログも初心が大切 □□□
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長靴

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また、これから少しずつ蔵の中の様子なんかを記事にしていこうと思いますが、女房に妙に受けが悪いので、まず私の足元の長靴からご紹介していきましょうか(笑)。

何だあなたのあの長靴は子供じみてるじゃないか・・・と言うわけですよ。ちょっと見た感じはそう見えるかもしれませんが、こんな風に目立つように自分の名前を書くっていうことには大きな意味があるんです。

蔵の中では全員が長靴着用なわけで、仕事中はいつでも身につけているとても大切な必需品のひとつです。蔵に入って働くようになると、必ず自分専用のものが用意されて、食品を扱うという衛生的な面での自覚が最初に芽生えるのが、この白い長靴からじゃないでしょうかね。

この長靴も履いてりゃいいってぇもんでもありません。蔵の外の汚い所、例えば土の上とか当然トイレなんかへ行くときには、今度は脱がなければなりません。履いてちゃいけないんです。その辺のメリハリを常に自覚していられるようになってもらわないと、蔵人としてのスタートラインには立てません。

さて、この長靴、蔵の中で履き替える状況があります。それは、2階へ上がる時なんです。我が社は2階に麹室と酒母室があるので、そこでの作業がある蔵人は全て階段の下で長靴を脱いで、2階専用のスリッパに履き替えなくてはなりません。

さあそうなると、階段の下にいくつも長靴が並ぶことになるわけです。特に朝の仕込みの忙しい時なんかは、みんなの長靴が階段の下に脱ぎ散らかしたような状態になって、どれが誰の長靴か分からなくなっちまうんです(汗)。

階段を駆け下りてきて、長靴を突っかけるようにして次の作業に向かわなくてはならないこともあります。それと、ちょっとかっこ悪い話ですが、麹室で作業をしている最中にオシッコが出たくなっても、作業を止めるわけにはいきませんから、じっと我慢しているわけですが、作業が終わったら脱兎のごとくトイレへ向かうわけです(汗)。

そんな時に、階段の下で自分の長靴がどれかを選んでいる余裕はねーんです。更に悪いことに、蒸米を運ぶような作業をしている時には、メガネが曇ってしまうので、私はメガネをはずしているんです。時間的余裕もなくて、目も見えない状況で自分の長靴を捜さなくてはならないんです!

ハイ、もう分かりましたね。みんなが同じメーカーの同じ色の同じ形の長靴を履いてるんですから、格好が悪かろうがなんだろうが、階段の上から駆け下りてきてパッと見分けがつく位置に、見分けがつく印をしっかりとつけておかないと困るっちゅうことです。そうじゃないとションベンちびっちゃうわけだ、これが(笑)。

そういう意味で、このダサい丸岳印は書いてあるんですよ・・・大きな意味があるって最初に書きましたけど、書き終わってみると大した意味じゃぁなかったですけどね(笑)。


□□□ かなり長い間1位にいられました、ありがとうございました □□□
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水炊き

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今晩の我が家のごちそうです。美味そうでしょ?え、何だか分からないって?『水炊き』ですよ、ミ・ズ・タ・キ。鍋の中に見えるのは鶏肉です。実は、私も家では初めて作ってもらったんです。ですから、昨日だったら、私も分からなかったでしょうね(笑)。

水炊きなる料理は、あまりこれまで我が家の食卓に上ったことはなかったんです。我が家ではあまり肉を食べないんですよね。それに、おでん、湯豆腐、お麩の鍋なんかが定番であるもんだから、なかなか飛び入りで入ってくることもなかったんです。私の頭の食べたいものリストの中にも、これまでは載っていませんでしたしね。

ところが、ある人のブログを読むようになったら、その人はしょっちゅう水炊きで晩酌をやっているらしいんです。ワインであろうが日本酒であろうが、水炊きで毎日1本ずつ飲んでると書いてあるじゃないですか。もうお分かりでしょうが、仙台のサンセールさんですよ。

こんなにブログに登場する水炊きっていったい何だ?と思い始めましたね。毎日食べても飽きないみたいだし、具材は何でもいいみたいだし、料理とすれば簡単にできそうに書いてありました。そのブログに洗脳されてしまって、しばらくは仙台の人は水炊きが主食なんだと思ってましたが、どーやらそーゆーわけでもなさそうですがねぇ・・・(笑)。

そんな風に、かなり自分としては気になる料理になっていた水炊きを、テレビの番組で特集すると聞いて、女房にこれを見て私に水炊きなるものを食べさせて欲しいと、速攻でリクエストしてあったんです。水炊きを食べていると、どうやら商売の売上げもありえないような伸び方をするみたいだし、これはサンセールさんにあやかって食べてみるしかないでしょう。

基本は鶏肉を水で煮るっていうだけみたいですね。だから水炊きっていうんでしょうけど、入れるのは塩だけで、いたってシンプルです。カツオやコンブの出汁なんか一切使いませんし、全ては鶏から出てくる出汁がベースの料理なんでしょうね。あとは、野菜をドバッと入れて食べるだけです・・・

美味かった!美味かった!美味かった!激ウマでしたよ。

久しぶりの大当たりの鍋料理でした。テレビで紹介されたレシピも良かったんでしょうが、こりゃ、これから我が家の定番にしたい料理ですね。ただ、素材の鶏が全てだと思いますから、あまり安いようなブロイラーだと臭味が出て気になるかもしれません。

手羽先なんかの鶏肉はプルンとしていて美味しかったし、野菜にも鶏から出た味が染みて、サッと茹でたくらいのを食べるのがいいと思いました。残ったお汁は雑炊にしても、うどんにしても良さそうですよね。ラーメンっていうのもありだと思うので、次回はラーメンにしてみようということに家族で決定しました(笑)。

写真には信濃鶴が写っていますが、今日はこちらは結構な雪が振って、女房に会社まで送ってもらうわけにもいかなかったので、お酒は飲めませんでした(涙)。次回はぜひ一杯やりながら楽しみたいと思います。駒ヶ根の地鶏が手に入るといいんじゃないですかね。鶴との相性もいいはずです。今日は鍋の楽しみが増えて、うれしい1日になりました。

》》》》》》》》》》 【水炊き以外にもいつも美味しそうな料理のサンセールさん】


□□□ そろそろ1位転落か □□□
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矢面

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吟醸仕込が終ってからというもの、少し意図的にお酒の話題を記事にしてきませんでした。もうあれから1週間も過ぎて、通常の仕込みパターンも体に馴染んできたところで、あの時感じたことを、ひとつだけ振り返ってみましょうか。

我が社ではあまり純米吟醸とその他の純米酒を区別して考えていませんが、それでも通常の仕込みとは違う作業もたくさんあって、いつもと少し違う感覚で仕事をしていたのは間違いありません。杜氏として10年目を迎えて、最初の数年間のような初々しい気持ちは薄れてきましたが(笑)、あの特別な仕込みをやっていた期間に少しその気持ちを思い出しましたね。

それは、『矢面感』とでも言えばいいでしょうか。自分が先頭で風を切って歩いている感覚みたいなもんです。悪い言い方をすれば、責任を全て背負って四苦八苦しているような感覚って言ってもいいかな。

やはり、先頭に立てば風当たりが強くて、それを受け止めるのには相当な努力と忍耐が必要になると思います。具体的に言えば、酒造りの過程で発生する数え切れないほどの意思決定を、待った無しでこなしていかなくっちゃならない。その精神的な負担を杜氏という役職は背負うわけです。

しかし、それは苦しいことばかりじゃなくて、代償としてある種の心地良い気分ももたらしてくれます。風上に向かって歩くことは、風の抵抗を受けて踏ん張らないとなりませんが、一旦その風を全身で受け止める腹をくくってしまえば、頬を叩く風が今の自分の頑張り様を実感させてくれるんです。

そしてそれは、一番先頭にいる人にしか感じられない風だと思うんです。酒造りだったら杜氏だし、企業であれば社長だし、青年会議所だったら理事長だし、スポーツだったらキャプテンかな。いくら責任を持たされているといっても、ナンバー2の位置にいる人にはどうしても感じることができない。

そういう感覚はいろいろな本に、成功者の経験談として書いてはあるんです。私も昔はよくそのテの本を読みました。読めば当然いいことばかり書いてあるので、感動しながら読むんですが、そういう知見は一向に身に着きませんでしたね。

それは、過去に成功した人の『物語』なんですよね。失敗談も載っていたりしますが、それはその人の成功につながる正しい失敗(?)であって、その現実に直面していない一読者の私には実感が伴わないわけです。私は自分で同じ失敗をしてみないと分からないタイプなんでしょうね。人間は自分の経験したところまでしか理解できないんじゃないかなぁ。

今の私は、何とか自分の会社を、そして日本酒の業界を明るい未来に導けるように矢面に立って、自分が倒れるのが早いか、それともその前に追い風が吹くのか勝負してるようなものなのかもしれません。そんな気持ちを思い出させてくれた、今年の吟醸仕込でしたね。


□□□ おっ、サンセールさんに抜かれそうだぞ □□□
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1日4食

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毎日の生活は、パターンがほとんど決まっています。夜8時ごろに家に帰って、お風呂に入って、夕飯をいただいて、少しうたた寝して、11時ごろには会社に戻ってきます。その時に、その日の夜中(というか翌日に入っちゃいますが)に食べるための夜食と、次の日の朝食を女房が持たせてくれます。

会社に戻ってからもいろいろと仕事があるので、やっぱり夜食は必要ですね。どうしてもおなかが減るので、スナック類なんかをボリボリ食べるよりは、1食分しっかりと食べちゃった方が効率的だし、健康のためにもいいでしょう。1日4食が私の毎日のリズムなんです。

ところが、今日会社へ戻ろうとすると、女房が「あっっっ!夜食作るの忘れた!」とのたまうではありませんか。我が愛妻はその辺は非常にしっかりしているので、毎日のことを忘れるなんてぇことは滅多に、滅多に、滅多にありません。

今日は娘のPTAの役員の仕事で夕方から出かけていたので、本当にウッカリしてしまったんでしょう。もう出かける用意もしたし、これから作るわけにもいかず、「いいよ、夜食は何とかするから・・・」と、女房に優しく声をかけて出てきました。

・・・しょうがねぇなぁ・・・会社にカップラーメンとかも買い置いてないしなぁ・・・途中でセブンイレブンに寄るのも車の外へ出るのが寒くてイヤだしなぁ・・・でも、夜食食べないと生活のリズムが狂って明日からの酒造りに影響するだろうしなぁ・・・美味い酒をみんなのために造るためにも何か食べないとなぁ・・・

そこで、しょうがなく、しょうがなく、しょうがなく外で食べることにしました。この時間にやってる食堂なんてありゃしませんから、飲み屋さんに行かざるを得ませんね。飲み屋さんに行ったら飲まないわけにもいかないしねぇ。あぁ、しょうがないなぁ。

外へ出るの寒くてイヤだったんじゃなかったっけ?・・・そりゃあの時はそう思いましたけど、今冷静に考えると、こりゃ寒くても何か食べないとこの地域の大きな損失になるんじゃないかと。大局的な見地から、私が寒さをガマンすることで皆さんのためになるのであれば、あえて私が犠牲になろうと。

ということで、仕方なく、仕方なく、仕方なく行ってまいります・・・

・・・はい、ただ今帰ってまいりました。金曜の夜はいいね。飲みに、いやいや食べに出る時間が少しは作れるもんね。『ビストロぶんぶん』で美味しい料理と、しょうがないのでお酒を少々いただいてきましたよ。少々ね。相棒もちゃんと調達しときました。いつものIさんとか、越百のえっちゃんもいたなぁ・・・。今宵も信濃鶴は美味かった(笑笑笑)。


□□□ 吟醸終ったとたんにこれだ □□□
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3すくみ

3人組っていうのは、学生時代からの経験だと、結局いずれか2人の仲が良くなって、残りの1人が少し寂しい思いをするっていうパターンが多いんじゃないですかね。別に仲間はずれを意識するなんてぇわけじゃぁなくても、何となくそんな関係に落ち着くって言えばいいかなぁ。

そういう意味では、愛妻、愛娘、各1名の我が家の3人組は、結構まとまりよく仲がいいかもしれないと思ってるんです。まあ、娘がもう少し大きくなってくれば、お父ちゃんの事なんか見向きもしなくなるんでしょうが、今はまだまだ可愛いもんです。

よーくこの3人のベクトル関係を観察してみると、お母ちゃんはやっぱりお父ちゃんに何かひとこと小言を言われるのが恐いみたいです。私は常に大きな愛情で女房のことを温かく見守っているわけですが(笑)、苦言を呈する時はハッキリと言うことにしています。私に図星を突かれると、シュンとしょげかえっていますねぇ。

娘は、当たり前かもしれませんがお母ちゃんが恐いんです。「勉強しなさい」なんてあまり言われずに済んでいるようですが、お母ちゃんの機嫌が悪いと自分に八つ当たりされると思っているフシがあって(笑)、そんな日には私のところへ避難してきます。

そして、どうやら私の上位に位置しているのが娘なんじゃないかと・・・。私のことはちっとも恐くないみたいです(涙)。お母ちゃんのご機嫌は伺うのに、私に対しては全く無頓着だったりします。買い物に行って欲しいものをねだるのは、決まってお父ちゃんの方です。その方が気が楽で、成功する確率も高いのを経験的によく知っています(笑)。

つまり、我が家は3すくみ状態でお互いの力関係がバランスしている家族なんです(笑)。ですから、私は娘には相手にされなくなるかもしれませんが、女房に対しては亭主関白でいられるんです。こいつは宇宙の真理と一緒ですから誰にも変えられません。

私「お前さぁ、2人で行った沖縄旅行の時のシュノーケリングツアーで、海でお父ちゃんがゲロゲロ吐いてんの知ってて、わざとお父ちゃんから離れていったっていうじゃないか。おかあちゃんから聞いたぞ。何でいたわってくれなかったんだよ」
娘「そんなの無理よ。海の中はきれいで見とれてたし、お父ちゃん前の晩に飲みすぎて気持ち悪くなったんだから同情の余地はないわ」
私「でも、少しは心配してくれても良さそうなもんじゃないか。全く何食わぬ顔で泳いでたぞ、お前」
娘「親がゲロゲロしてても、子供は面倒なんか見られないものよ。いったいどうしろっていうのよ」
私「人が困っている時には助けるのが当たり前だろう」
娘「ハイハイ、分かりましたよ」
私「お前、お父ちゃんの言うことちゃんと聞いてんのか、オイ!コラ!・・・」

・・・私の意見なんか、どこ吹く風である。でも、私は亭主関白でいられるんだから、娘の方はガマンしよう(涙)。

私「今日はMさんがいないから、○○と△△の作業をやってから帰ってくれよ」
妻「Mさんいないんなら、○○より××の準備しといた方がいいんじゃないの?」
私「いいから、それはオレがやっとくから」
妻「よくないわよ、あなた麹の手入れしなくちゃいけないんでしょ、そんな時間なんかないじゃない」
私「そ、そりゃそうだけど、多少遅くなったって・・・」
妻「ダメよ!あなた帰ってくるのが遅くなると、私の睡眠時間が減るのよ、分かる?」
私「あ、いや、分かるけど・・・」
妻「だったら、私が××やっとくから、あなた○○やんなさいよ」
私「ハイ・・・」
妻「○○より△△先にやった方がいいわよ。時間かかるから」
私「ハイ、そうします・・・」
妻「それから、◇◇もやっとかなきゃダメよ。どうせいつかやるんだから」
私「あ、ハイ、分かりました・・・」

・・・って、杜氏に指図すんなっっっ!!!3すくみじゃないじゃないかっっっ!!!私だけがすくんでるじゃないかっっっ!!!亭主関白っていったい・・・(涙涙涙)。

》》》》》》》》》》 【楽しかった娘と2人きりの沖縄旅行】


□□□ サンセールさんが帰ってきた! □□□
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