専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になってしまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

蔵開放onBLOG(14)

20070322174844.jpg

もうずーっと気になっていた蔵開放シリーズの続きです。途中であれやこれや記事が入ってしまって、何となくそのまんまになっちまいました。申し訳ありません。前回のザルの話の続編だと思って下さいね。

ちなみに上の写真は今日の話とは何の関係もありませんが、前回の記事に出てきた竹製のザルです。まだ現役で使えますよ。こいつは相当前に地元のお年寄りに安く作ってもらったんですけど、まともに買おうとすると1個1万円じゃぁ絶対買えねぇでしょうね。こんなの作れる人もういませんよ。

さて、こんなザルでも蔵の中では大変に重要な役割を担っています。何でこんなザルを使うのかといえば、洗った米を水に浸すためです。「浸漬(しんせき)」という作業でしたね。じゃあ、何で米を水に浸してわざわざ水を吸わせなくっちゃならないんでしょう?

私たちが酒造りに使う米は、全て「蒸し」ます。食べるための飯米は「炊く」というか「煮る」わけですよね。「煮る」のと違って「蒸す」のは米の周りに水なんかないですし、釜から立ち上ってくる蒸気の中の水分と熱で、米が加工しやすい性状に変質していくわけです。

この時、生米のままだとうまく蒸せません。洗米しただけの米も水分を少しは吸っていますが、それでも足りません。ある程度米に水分が含まれていなくてはならないんです。じゃあたっぷり水を含ませときゃいいじゃんって話になりますが、そうは問屋が卸さない。多すぎてもダメなんだな、これが。

どのくらい吸水させればいいのかっていうのは、経験的に大体見当がついています。例えば美山錦の麹用の場合には33%くらいでしょうか。つまり、100kgの米を洗って浸漬させたら、133kgになってるっていうことです。

これが米の品種が山田錦になれば31%くらい。美山錦でももろみに投入するためのかけ米であれば31%くらいと、米の品種によって、麹米かかけ米かによって、もっと言えばその年の米の出来具合によって、更にはその蔵のやり方によって少しずつ微調整が必要になってきます。その辺は正に杜氏さんの経験によるとしか言えませんね。

このくらいの水分を吸水させた米は翌日蒸されるわけですが、蒸される時に更に10%前後の水分が吸着します。その後温度を下げるために放冷機という機械を通したり、ムロの中で広げて乾燥させたりして数%の水分が飛散します。そうしてようやく麹の種をまくのに最適な水分になる・・・という流れになるわけです。

まず、種をまくのに最適な水分を定めておいてから、この流れを逆算していって吸水率を算出する杜氏さんもおられるようです。まあ、いずれにしても面倒くさいことを考えながら、数字を追いかけていかなくてはならないっちゅうことです。

この洗米・浸漬・吸水っていうのが原料処理のキモなわけです。そこに登場するザルっていうのは、日々それを使って頭を悩ませている我々にとって、とても思い入れのある小道具なんです。


【【【【【【【【【【 今日の蔵内ライブログ 】】】】】】】】】】
「あと少しあと少し」と1日中考えているぞ(笑)。米蔵の中の米もだんだん少なくなってきた。あれを使い切ればおしまいだ。
それでも、洗米も、麹の引き込みも、もろみの仕込みも、もろみの上槽もいつもと同じようにやっている。よく飽きずにここまで来たもんだ。我ながら感心しちゃうよ。


《《《《《《《《《《 人気blogランキングへ 》》》》》》》》》》
日本酒の未来のためにクリックお願いします!m( _ _ )m
おお!やっぱり2位がひたひたと詰め寄ってきている!もはやここまでか!


[[[[[[[[[[ たのしいクリック付録 ]]]]]]]]]]
信濃鶴を飲んでみたいと思った方はこちら → ご案内とパンフレット
初めてこのブログを訪れてくれた方はこちら → このブログの目次