昨日に引き続き「これなーんだ?」シリーズですが(笑)、コイツはなんとなく使い方が想像できるんじゃないですかね。当然、お酒造りの現場で使う物で、その名も『ブンジ』って言います。たぶん、どこのお蔵さんでもお使いの道具だと思いますし、酒蔵ばかりでなくて、お米を扱う様な古い業界なら似たような物があるかもしれません。
長生社での主たる使用目的は、お米の塊を崩してほぐすためです。具体的に説明すると、蒸したお米に麹の種を振って、大きくまとめて一晩経つと麹菌の芽が出てくるんですけど、それ以後はもっと小さなサイズの箱に入れて管理しますから、大きな塊になっている蒸米をバラバラにこなして箱に小分けにしなくっちゃなりません。
その時の蒸米の塊は、かなり締まって硬くなってるんです。なもんだから、その塊を手だけで崩すなんていうことはできなくて、できても時間がかかって仕方がありませんから、最初にその塊りを大きく崩す時に、このブンジを塊の横っ腹あたりにグイッと差し込んで、大きくこなしてから、更に細かくこなす機械にかけてるんです。
蒸米の塊って言われても想像が難しいかもしれませんが、100キロとか200キロっていうお米がある程度乾燥した状態でテンコ盛りになってんですから、結構硬そうだってことはお分かりになるかもしれません。その塊と格闘するのが、麹室での朝イチの作業だってお蔵さんは多いんじゃないですかね。
右側の取っ手みたいな部分を片方の手でつかんで、もう片方の手で中間の細身の部分を握って、先端の刃の様な部分を蒸米の塊に押し込んでいくんですけど、塊の層が厚くなると簡単には食い込んでいってはくれなくて、それなりに力の要る作業なんですよ。そんな満身の力を受け止められるように、硬い材質の木なのかもしれませんが、私にはチト分かりません(汗)。
『ブンジ』っていう名前の由来も分かんないんですけど、もしかしたらもっと別の正式名称があるのかもしれませんし、酒造業界生まれの代物じゃないかもしれませんから、今日の話はあまり鵜呑みにせずに、疑いの目でお読みください(笑)。でも、昔から使い続けている、私にとっては蔵を象徴する小道具のひとつなんですよね。
□□□ 過去にも記事にしたことがあったかも(汗) □□□
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