皆さんは『煎り酒(いりざけ)』っていう調味料をご存知でしょうか?私も詳しく知っているわけじゃないので、概要くらいしかお話しできませんが、江戸時代に調味料として使われていたもので、ネーミングからもお分かりのように、お酒が原料となっていたようです。『煎る』っていうのは、焙煎じゃなくって煮るっていう意味なんですけどね。
基本的にはお醤油のように使ったみたいです。つまり、液体調味料として何かにかけたり、刺身に付けたりしたんでしょうけど、かつては醤油の方が高価な代物だったので、煎り酒の方が広く普及してたなんていう話もあります。現代だったら、きっと醤油の方が安上がりだと思いますけどね(笑)。
かつてこのブログでもご紹介したことがあったかもしれませんが、作り方は簡単で、お酒と梅干しと鰹節を一緒に煮るだけみたいです。その詳しい分量とか、細かい手順とかはいろいろあるんでしょうけど、私はよく知りません(汗)。そんなもん記事にすんなよって話ですが、ネットで調べていただければちゃんと出てきますからご心配なく(笑)。
私は、有名な東京農大の小泉武夫先生が、どこかのテレビ番組でご紹介なさってたのを聞いたのが初めてだったんですけど、どうやら誰も知らないような古典の世界のレアな情報じゃなくって、今でもいろんな所で使われることがあるみたいですね。ご自分でも簡単に作れるみたいですから、読者のみなさんもトライしてみてはいかがですか?
この『煎り酒』と今日の写真は全然関係ないと思われるかもしれませんが、大ありなんですよ、これが。ここのところ毎日分析をやってて、ふと思ったんです。煎り酒も美味しそうだなぁって(笑)。なんとなく、こんな香りでこんな味っていうのが分かるような気がすることがあるんです。ま、実際を知りたきゃ作ってみりゃいーじゃんって話なんですけどね(汗)。
どういうことかっていうと、写真の分析機器はアルコールを蒸留するためのものなんですが、分析が終わった後にこのフラスコの中に残っているのは、正に煎り酒の主成分そのものなんじゃないかと思うんですよね。詳しくは省きますけど、元あったお酒の容積の半分くらいに蒸留された後の残りだからです。
煎り酒も量が半分くらいになるまで煮込むらしいんですけど、梅干しや鰹節が入っていないものの、お酒部分の成分としては大体一緒くらいのはずです。そんでもって、その香りもちょっと香ばしくて、どことなく醤油に似ていると言えば煮ているような気がするんですよね。ですから、分析が終わった後にフラスコの中味を破棄する時に、煎り酒ってこんな香りなんだろうなぁって毎回思ってます(笑)。
もしも機会があれば、煎り酒製造レポートも記事にしたいと思いますが、醤油のようにある意味で強烈な味じゃなくって、きっと出汁的な要素を持った調味料で、サッパリとしてて美味しいんじゃないかって想像してるんですけどね。うーん、記事を書いてたら、その江戸時代の味を本当に食べてみたくなってきました(笑)。
□□□ 江戸庶民の知恵だったのかな? □□□
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