専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

吟醸週間10

さぁ、これにて吟醸週間は終了となりました。仕込み自体は1週間で終わるんですけど、その前に麹を造り始めたりしますから、総計で10日間くらいが吟醸仕込みにかかりっきりになるわけで、私ばかりじゃなくって蔵の中で働いてくれるみんなにも激務の10日間だったはずです。ご苦労様でした。

私のお酒造りの大部分は、前任の越後杜氏から教わったもので、そういう意味では鶴の味は越後流を汲んでいると言っていいでしょう。そして、その杜氏が命をかけて吟醸を仕込んでいく様子を一緒に蔵に寝泊まりしながら見てきました。雇われの身なんだからそこまでしなくてもいいじゃないかと、専務の私が思うくらいの献身ぶりでしたね。

徹底して麹には寄り添っていて、今の私が麹から少しでも手を抜くことようなことができないのは、その越後杜氏の影響でしょう。まぁ、吟醸の麹造りで手を抜くような杜氏さんはどこにもおられないはずですから、それを受け継いだっていうのは言い過ぎかもしれませんが、実際に命をかけている姿を目の当たりにしたか否かでは、私の身体に沁み込んだものの重さが違っていたはずです。

その精神を元に、今年はこれまでとはかなり違った挑戦をしてみました。これが吉と出るか凶と出るかはお酒の仕上りが教えてくれるはずですが、私が考えていたよりもはるかに負担が重くなる部分が大きくて、正直言ってこんなにヘロヘロになるなんて思ってもみませんでしたね(汗)。やっぱ、お酒造りを甘く見ちゃイカンって、神様からの大いなる啓示だったんでしょう(笑)。

昨日は麹の面倒は見なくて良かったので普通に杜氏部屋で寝ましたが、1週間ぶりの布団は寝心地が良かったですねぇ(笑)。減りまくった体重を元に戻して、まだしばらく通常のお酒造りが続きます。今一番困っているのは、ここまで写真無しの記事に慣れちゃったブログ生活もまた、元通りにしていかなくっちゃならないってことなんですけどねぇ・・・。


□□□ 写真の撮り方忘れました(汗) □□□
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吟醸週間9

そろそろ吟醸週間も大団円を迎えます。大きな問題もなく、気象にも恵まれて、仕込み自体は成功したと言っていいでしょう。ま、成功とか失敗の基準なんて個人的な基準でしかありませんけど、別の言い方をすれば、まずまず納得できる仕事ができたんじゃないかと今の段階では思えてますね。

私自身とすれば、ここまで攻めた造りをしたのも珍しいってくらいに、積極的な挑戦をした吟醸造りでした。挑戦をしたっていうよりも、挑戦させられたっていう裏話も無きにしも非ずですが(汗)、特に麹造りに関しては大変な苦労をする羽目になった反面、得るものも大きくて、実りの多い吟醸週間でした。

信濃鶴の純米大吟醸については、最高峰のお酒を造りたいっていう感度よりは、一般の純米酒に応用できる技術への挑戦と修得が目的で、その中には伝統的な部分と新時代への対応っていう側面がありますが、いずれにしてもこの時しかできない大いなるチャンスの場ですから、多少命を削ってもやれるだけのことはやってみたいと思ってます。

別の視点で言えば、そんな挑戦ができる状況を作り出せるお酒造りっていう職業に身を置けていることはとても幸せなことでしょう。この歳になって挑戦っていうキーワードを自分の中に持ち続けるってことは、なかなかできることじゃないかもしれません。ま、来年も同じ苦労ができるかっていうと・・・正直、考えたくもありませんけど(笑)。


□□□ 若い時の苦労は買ってでもするべし □□□
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吟醸週間8

さて、夜中の仕事があるのも今日限り。スペシャルなお酒って、夜も寝ないで造ってると思ってる方もおられるかもしれませんが、寝るこたぁ寝るんですよ、いくらなんでも(笑)。時間はちょびっとだったりしますけどね(汗)。夜は寝ないで、昼はハードスケジュールでなんていう生活を普通の人間ができるわきゃありません。

でも、寝ないってことが苦しいっていうよりも、自分のペースで寝られないってことが苦しいんだと思います。眠くなったから寝るとか、何時になったら寝るとか、テレビ番組が終わったら寝るとか、そんな心づもりがちゃんと立てられないのが辛いわけです。大体の時間の枠くらいは設定できても、その枠は2時間くらい簡単にズレたりします(汗)。

要するに、自分のペースじゃなくって麹菌のペースに合わせた生活を送るってことが大変で、いつになったら手入れ作業ができるのかはハッキリしませんし、もっと言ったら、麹を5つの箱で育てていたら、その5つを同時に作業なんかできなくて、進む箱もあれば遅れる箱もあって、5つをひと通り手入れするのに時間差も大いに生じたりするんです。

しかし、そんな非人間的(笑)な生活をすることで、麹菌の特徴をしっかり自分の身体に沁み込ませることができるのかもしれません。個人的には、今年も得るものが多い吟醸週間になりました。後はもう、事故や怪我のないように吟醸週間を終了できるかどうかですけど、気を抜かないで最後の留め仕込みまで突っ走りましょうか。


□□□ 実のないブログでスイマセン(汗) □□□
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吟醸週間7

「去年もみんなで食べたじゃない・・・」と女房に言われて思い出したのは、吟醸週間中に社員全員で栄養をつけようと、お昼の配食サービスでソースカツ丼を取って食べようっていう案でした。実際に、昨年は全員分届けてもらって、みんなでワイワイ一堂に食べて英気を養ったんでした。

ソースカツ丼は駒ケ根市の名物としてつとに有名になってるB級グルメですが、街の食堂で食べるようなわけにはいきませんけど、結構しっかりとカツが入っていて、私なんか少しもたれ気味になるほどの量があるお弁当です。長生社で毎日利用している配食サービスの中での特別メニューで、事前予約が必要な別格品なんですよ(笑)。

吟醸週間も先が見えて、蔵の面々も疲れが出ているこの時期に、このくらいのイベントはちょっとした楽しみでいいと思うんですよね。一番なのは夜飲みに出ることかもしれませんが(笑)、そんなことやってられるわけありませんから、慰労の意味も込めてみんなに精のつく物を食べてもらうのは、私としてもうれしいことです。

吟醸週間も土曜日までです。今のところ大きな失敗もなく、順調に進んでいると言っていいでしょう。美味しいお弁当もみんなで食べられたし、気になることと言えば手のあかぎれがひどくなってることと、今日のお弁当代が一体いくらになるのか・・・くらいですかね(笑)。


□□□ 女房が回収に来ます □□□
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吟醸週間6

今日は珍しいご報告をば・・・私もこれまでずっと蔵の夜の仕事をひとりでこなしてきましたが、そろそろそういう体勢から脱却しなくっちゃなりませんし、何よりも私自身の身体がそういう仕事に耐えられなくなるのもそう先の事じゃなくなってきて、どうしたもんかとアレコレ考えてはいたんです。

通常のサイクルの時に、みんなで変わり順で蔵に泊まり込むっていうことが最も実践しなくっちゃならない課題でしょうけど、いきなりってわけにもいかなくて、どこかで予行演習みたいな形でやってみたいと思ってました。そして、そのチャンスがこの吟醸週間中にやって来て、昨日の夜、若手がひとり応援に出勤してくれたんですよね。

こちらからやれって言ったわけじゃなくって、自主的に出てきてくれたのは助かりましたが、要するに社長の仕事ぶりを見るに見かねての行動だったのかと(笑)。普段、夜中にこんなに仕事があることはありませんから、特に吟醸週間内での特別対応ってことですけど、私にとってはとても大助かりでうれしかったですね。

たったひとりでやる仕事には限度があります。1人で2時間かかる仕事は2人いれば1時間でやり終えることができます。まだ、蔵に泊まり込むってところまではいきませんが、徐々にそんな方向も見据えながら、若手の意見も聞いて方策を探っていきたいと思います。蔵の働き方の今後を占う第1歩でしたけど、大きな前進だったかもしれません。


□□□ ひとりの仕事は寂しいしね(笑) □□□
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